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「そう…か……コイツがアリスを……」
「…まぁ、変態クソ野郎に違いはねぇが、こいつだとまだ確信した訳じゃねぇぞ」
大神はそう言い放つが、渋谷にその言葉は届かない
「こいつは、店じまいをしてアリスと二人で店を出た時
『セックスしてたんだろう』と迫ってきた
『僕にもやらせろ』と、今にもアリスに飛びつきそうだったんだ」
渋谷は右手を強く握りしめた
そして強くカウンターを叩く
「……くそっ」
その拳は震え
見れば渋谷の肩も震えていた
「あの日以来、アリスを家の近くまで見送っていたのに…」
「ふん、あの日も一緒にいたじゃねぇか」
「ああ、確かに一緒だった
アリスの気持ちが少しは和めばと、一緒に花火を見に行ったよ
ただ、あの人混みだ
帰りはのまれて、はぐれたんだよ…」
大神は渋谷の話を聞き、フンッと鼻を鳴らし、含んだ様に笑った
「…はぐれた、ねぇ」
写真から手を離し、グラスを鷲掴みにすると
ストローを抜き取りコーヒーがぶ飲みした
「あんた、恋人はいないのか?」
「…?、いえ…」
「そうか
顔が良いのに特定の相手もいないとはね
さぞかしモテるんだろうなァ…
苦労がなさそうで、羨ましい限りだ」
大神が笑顔を向けると、渋谷もつられて小さく笑った
「そんな事ないですよ
好きな人にはよくフラれます…」
そう言って少し遠い目をしながら、アイスコーヒーを一口飲んだ
その様子を大神はじっと見る
「好きな女はいるようだな」
「……え?
あ、いませんよ!」
慌てたように渋谷は大神を見て首を横に振り否定する
そうしながらグラスをコースターに慌てて戻した
その様子を大神は食い入るように見つめた後、ニヤリと笑った
「…すまんな
くだらない事まで聞いちまってよ」
大神はそう言うと全てのコーヒーを飲み干した
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