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翻弄される心
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遅めの朝食が終わり、洗い物を終えると、東條の座っているソファの隣に腰掛ける。どうやら新聞を読んでいるようだ。
「東條さんって眼鏡掛けるんですね。目悪いんですか?」
「悪くも無いが、最近細かい字が見えづらくなってな 」
「そう言えば、東條さんっていくつなんですか?」
「言わなかったか?31だ」
「じゃあ、9歳差ですね僕達」
「そうだな。すまないな、お前からしたらオヤジだ」
「いや、31はオヤジじゃないし。それに31に見えないくらいかっこいいですよ。身長も高いし、スマートだし」
「やけに素直だな。誘ってんのか?」
「いや・・そういう訳ではないです」
そうか。と言うと東條は、読んでいた新聞と、掛けていた眼鏡をテーブルの上へ置き、煙草に火をつけた。
1連の動作に品があり、ついつい見とれてしまう。
新聞を読む時は眼鏡を掛ける事や、年齢は31だという事。
まだまだお互いに知らない事が沢山あるのだ。
そこで圭は一つ思い付いた。
「ねえ、東條さん。」
「なんだ」
「僕達まだまだお互いの事知りませんよね?だから今から、色々お話しませんか?」
「別に構わないが、なにを話すんだ」
「じゃあ、僕が質問するので、東條さんは答えて下さい。あと東條さんも、僕について知りたい事があったら聞いて下さい」
「わかった。」
そう言うと東條は煙草を消し、隣に座っていた圭をグッと引っ張り、自分脚の間に座らせ後ろから抱き締めた。
今気付いたのだが、意外とスキンシップが多い。
「どうしてこの体勢なんですか?」
「それが1つ目の質問か?この方が近くていいだろう」
「これはまだ違います!それに、その持論よく分からないし。」
ふん、と唇を尖らせ拗ねる圭の後ろで、くっくっ、と喉を鳴らし笑っているのが背中に伝わり、心が満たされる。
「じゃあ、まず一つ目の質問からいきますね。誕生日と血液型教えて下さい」
「誕生日は8月5日。血液型はB型。おまえは?」
「僕は10月23日生まれのO型です。知ってました?B型とO型って相性いいらしいですよ。」
「身体の相性も抜群だしな」
そう言うと東條の左手が脇腹の辺りをそっと撫でた。
「ちょっと、イタズラは無しですよ。」
ちらっと後ろを向くと顎を掴まれ、唇を塞がれる。
そしてゆっくりとソファに押し倒され、先程までとは体勢が逆転していく。
深く、甘い口付けを繰り返されると、頭がポーっとふやけるようだ。
「これからゆっくり知っていけばいいだろう。それに俺は、こっちの方が知りたい」
蕩けるようなキスと色気で出来ました。と言わんばかりの目で見つめられれば、圭も自然とそういう気分になってしまうもので、腕を東條の首に回した。
「それもそうですね。僕も今はこっちの方が知りたいかな」
「・・おまえは俺の煽り方を良く知っていると思うのだが、どこかで習ってきたのか」
「習ったのかもしれませんね 」
クスクスと笑い合い、どちらからとも無く唇を重ね合わせた。
柔らかい日差しが射し込むソファで、何とも幸福な気分だ。
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