アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
胡蝶蘭/kyrt
-
悲しいネタ(?)注意です。
※御本人様とは一切関係ありません。
_______________________
ーside rtー
「…ねぇレトさん。 最近さぁ、寒くなってきたよね。」
その声に、はじかれたように顔をあげる。
「…そうだね。」
「そういえば、今日はこの花を持ってきたんだ。
“胡蝶蘭”っていう花なんだって。
…レトさんが好きそうかな、って思ってさ…w」
そう言って見せてくれた“胡蝶蘭”は、ピンクや赤などの色が目立っていた。
(…なんか、俺が女々しいみたいやんか…!!
……まぁ、確かに、可愛いけど…)
ふとキヨくんを見ると、どこか悲しそうで、だけどしっかりと笑みを浮かべていた。
少しの静寂が、この空間を支配していた。
本当は、「綺麗だね」とか「ありがとう」とか 何か言えばよかったのだろう。
だけど、俺の言葉はあなたには届かないから。
ただ、虚しくなるだけだと思ったから。
目の前にいるあなたに対して、なにも言わなかった。
「………やっぱり、言えないな。」
急に 泣きそうな、掠れた声で、あなたはそう言った。
キヨくんの目には、涙が少したまっていた。
「……レトさんのため だもんな。」
まるで、自分に言い聞かせるように そう言った。
「…じゃあ!レトさん。
また、来年会いに来るからね。」
いつもの、俺の大好きな笑顔でキヨくんは言った。
「うん、じゃあね」
どうせ、この声はキヨくんに聞こえてないんだろうな。
…ほんと、理不尽だよね。
キヨくんの声は聞けるのに、
俺の声はキヨくんには聞こえない、なんて。
……まぁ、しょうがないか。
俺はとっくに死んでるんだから。
いつだったか、もう覚えていない。
いつの日か、あっという間に、俺は交通事故に巻き込まれて、死んでしまった。
気づけば、俺自身の墓の前にいた。
なんだか浮遊感をやけに感じると思ってたんだ。
だけどなぜだか、現実を軽く受け入れられた。
ただ、1つ未練がある。
それは、
キヨくんに告白できていないこと。
正直に言うと、俺はキヨくんのことが好きだ。
もちろん、恋愛感情として。
キヨくんはどうかわからない。
けどきっとふられるのはわかってた、
だけど、少しの“挑戦”くらい、別にいいでしょ…?
…そうだ、そういえば、
俺はあの交通事故にあった日、
キヨくんに告白しようとしてたんだ。
まぁ、もうそれももう、できない。
俺が死んでからというもの、キヨくんは毎年毎年、お見舞いに来てくれた。
毎年、違う綺麗な花を持ってきてくれた。
今年は…“胡蝶蘭”って言ってたな…
実は、俺は少し花にハマってた頃があってな…
…あ!!今女々しいとかとか思ったやろ…!?
俺は、花言葉が好きやってん。
“隠された思い”というか、そういうのが。
「確か…胡蝶蘭の花 言葉、は…」
『あなたを愛しています』
_______________________
実は私めちゃくちゃ花言葉好きなんですよ!!(どうでもいい)
なので今回は花言葉の話にしてみました!!
たまたま見つけたのが胡蝶蘭で、胡蝶蘭って私の誕生日花だったんですよー((
ちなみに解説ですが、「……やっぱり言えないな。」、「……レトさんのためだもんな。」
という部分では、ヨーキーさんがレトさんに対して告白しようとしてたんですけど、レトさんのために(?)言うのをやめた、という設定です。
最近寒くなってきましたね。皆さまお体にはお気を付けて。
ちなみに私は喉だけの風邪を引きました。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 54