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「はぁっ?!」
なんだその言い草は!それじゃあ俺があの人に懐いてベダベタと一緒にいるみたいじゃないか!
「仲良くするな?どこを見たらあの人と仲良く見えるんだよ!」
「だって!喧嘩はしてるけどピンクコンビなんて呼ばれてるし、この頃一緒にいる頻度も高いでしょ!」
「それはあのバカ王子が勝手に付きまとってくるだけだ!俺はあの人の事なんか、大っ嫌いだ!」
「何それ、酷い!!桃神先輩を悪く言うな!」
「あーっ!お前、面倒くさいタイプだな!仲良くするなって言ったり、悪口言うなって言ったり!!」
梅城と言い合いをしながらも、俺の心はモヤモヤとしていた。
桃神先輩なんか大っ嫌い。そんな台詞はここに入学してから何回も吐いた言葉だった。
なのに、今自分で吐き捨てておきながら、心が。
心がチクチクと不快な痛みを訴えていた。
「じゃあ絶対に近付かないでよね!」
「だから好きで近付いてるんじゃない!同じ生徒会役員なんだから関わるのは仕方ないだろ?」
「うっ⋯⋯それはそうだけど、プライベートでは関わらないでよね!」
「はぁ⋯⋯芸能人か何かか、あの人は⋯」
俺が呆れたように言えば、梅城は顔を仄かに赤く染めた。
「だって俺、桃神先輩が好きなんだもん⋯⋯」
その突然の告白に俺は目が飛び出すかと思った。
口からは絶叫が飛び出してしまっていたが。
「は、はぁーーーー?!」
あの人の事が好き?
絶対に遊ばれて終わりだ。ましてやあの人は女の子が大好きなんだから———。
「桜音?」
急に黙った俺に、梅城が訝しげに声を掛けた。
だけど俺は自分で自分の気持ちが全く分からなかった。
あの人は女の子が大好き。
そんなの分かりきっている。
———なのに何でこんなに泣きたくなるんだ。
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