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「先輩、俺、今日——」
「史親とアスレチック行ってきたんでしょ?」
「へっ?」
言おうとした事を先輩に先に言われて、ポカンとする俺を見てクスリと笑って先輩は言った。
「ずっと史親から写メ送られてきたから。多分自慢したかったんだろうけど、見事に桜音にフラれたみたいだね」
そうか、そういうことか⋯⋯。
何だか一気に肩の力が抜け落ちた。
「桜音は正直に言おうとしてくれたんだね。ありがとう」
「⋯怒らないんですか?」
優しい先輩に不安になって、そんな質問をぶつければ先輩は困ったように笑った。
「梅城の時に嫉妬して失敗してるからね〜。今回は冷静でいようと思って。桜音の事も信じてるし」
「先輩⋯⋯」
無性にキスがしたくなって、先輩に擦り寄る。
先輩はお見通しだったかのように腕を広げて待っていてくれたから、そこに素直に収まる。
胸に頭を預けていると、心地よい心音が聞こえてきて酷く安心した。
「桜音?キスしないの?」
「⋯⋯する」
そっと頰を手で包まれて、顔を上に向けられた。
優しい笑みを浮かべた先輩が目に入ってそっと目を閉じた。
暖かくて柔らかい唇が、自分のと重なる。
それを数回繰り返してる間、先輩は頭を撫でてくれていた。
そのキスは優しいキスなのに、心が満たされるキスだった。
やっぱり俺にはこの人しかいないと思ってしまう程には。
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