アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
「⋯今から話す事は、嘘じゃない。出来れば信じてほしい」
史親は手を合わせて、強く握った。そして、服を少しまくりあげるような動作をした。
桜音はそれを心配そうに見てる。
「兄貴、俺⋯⋯レイプされたんだ」
「————ッ」
それは衝撃的だった。
震える手で服を捲り上げられ、現れた史親の身体。
そこには青紫色になった痣とポツポツと散りばめられたキスマーク。
うっすらと首にも締められた跡があるし、よく見れば顔も口が切れたようにかさぶたがあった。
「———顔は覚えてるの?」
怒りで何も見えてなかった先程までの自分を殴り飛ばしたかった。
今は違う怒りがフツフツと込み上げているけれど。
「⋯⋯覚えてない、というか思い出せない。4.5人だったのは分かるんだけど、顔を思い出そうとすると吐き気と頭痛がするんだ」
そう言いつつ、口に手を当てる史親は本当に気持ち悪そうで。
痛ましい弟が可哀想で頭を撫でた。⋯⋯撫でる瞬間にビクリと体を震わせたのも、痛ましかった。
「兄ちゃんが気付けなくて、ごめんね。言ってくれて、ありがとう」
そう言ってやれば、安心しきったかのように涙をこぼした史親は言った。
「俺、桜音が好きだけどやっぱり兄貴も好きだ。だから2人には喧嘩して欲しくない⋯っ!」
「史親⋯⋯」
桜音と2人で、史親を抱きしめる。
待ってて。兄ちゃんがすぐに悪い奴らを退治してあげるからね。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
84 / 122