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桜、奔走する
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「っあーーー!」
俺はイライラと頭をガシガシと掻きむしった。
「わ、珍しく桜音が大声あげてる」
それを他の役員は物珍しい光景を見るかのように、視線を送ってきた。
俺たちの前には、書類の山。
言わずもがな来月行われる文化祭の書類である。
「なぁーんで、こんな面倒くさい屋台だそうと思うんですかね?普通の食べ物屋じゃダメなんですか?
何でいちいち執事だの、メイドだの、コスプレだの付けたがるんだかっ!!」
予算がかかるだろ!!それを計算するのは面倒なんだよ!!!却下だ、こんなもん!!
そう思いながらその書類をシュレッダーにかけようとすれば、横から腕が伸びてきて俺の手を止めた。
「こら、ちょっと落ち着きな〜。もうこれは通っちゃった案件なの、分かってるでしょ〜?」
「⋯⋯⋯邪魔しないで貰えますか、似非王子」
俺の腕を止めたのはやはりというか、桃神先輩で。
困ったように笑いながら、俺の八つ当たりも受け流す。
その時、会長も俺の肩を叩いて。
今俺が地雷としている事をサラリと言ってのけた。
「そうだよ、桜音。お前のクラスが女装男装喫茶で、その女装役を引いてしまったからって、八つ当たりはよくないぞ」
「あ、会長。それは桜音の前では禁句って話だったじゃないですか〜」
「えー?だって俺、正直楽しみだし。桜音の女装」
人の地雷を踏み抜いておいて、尚飄々としているこの2人。
「⋯⋯いいからさっさと仕事しろ!!!!」
生徒会室に俺の怒声が響き渡った。
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