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「っ・・・・・・・・・どうしよう」
今、オレは迷ってる
入ろうかやめようか
なんでこう美容院ってのは勇気がいるんだろう
オシャレな人が入る店
陰キャなんかが来たらイメチャンしにくると思われそうだ
まだ人が多い道よりは少し外れたところにある美容院だけど・・・
英はお兄さんに切られるのが嫌だったようだからもうしょうがない
「・・・っ、よし」
カランカランとドアについた鈴がなる
それに気がついてオシャレな店内に立つオシャレな格好をしたオシャレな髪型の美女美男たちがこちらを見る
あぁ最悪
今絶対うわキモいやつがきたって思われた
もしかしたら帰されるかも
「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ」
「えっ・・・?」
「・・・?こちらへどうぞ」
うわいい人だ
オレに近づいてきてくれたのはピンク色の奇抜な髪色のイケメンだった
すっごい爽やかな雰囲気と笑顔が眩しい
イケメン美容師って感じのする人だ
でも英とは違うな
いい笑顔は同じだけどこの人より少し明るい笑顔だ
この人は裏がありそうだけど、英は子供みたいに笑う
ってもうオレ病気だ
英のことばっかり考えてる
「今回はカットでよろしいですか?」
「あ、はい」
「どんな感じにしましょうか」
「えっと・・・そんなに髪に詳しくなくて」
「例えば、芸能人の方で例えて下さっても大丈夫ですよ」
「すみません、テレビみなくて・・・」
「そうですか、では前髪を上げてみたりしたら雰囲気も変わると・・・・・・・・・っ」
「?」
そう言って彼はオレの長い前髪を手でかき上げると何故か固まった
「どうしましたか・・・」
「えっ、あ・・・すみませんっ」
なに、そんなにブスかった?
キモかったかな
「・・・・・・・・・」
「・・・あー・・・あの、貴方に合いそうな髪型、僕が選んでもいいですか?」
「え、そんなのありますかね」
「例えば・・・こんなの、どうですか?」
彼はそう言って取り出した雑誌の一部を指さす
そこには《ナチュラルマッシュ》と書いてあって、色白にとてもイケメンな男がモデルにされている髪型が載っていた
「これ・・・オレに似合いますかね」
「えぇ、僕のはそれのアレンジで・・・あ、よかったら僕とお揃いにしてみますか?」
「ぇ、?」
「少し襟足を残すイメージで、雑誌とは変わるんですけど。僕的には、その方がお客さんによく似合いますよ」
お世辞でも嬉しいな
英も似合うねって言ってくれるかな
今日は女の子とデートだから、その子に可愛いねって沢山言ってるんだろうな
言ってくれるかな・・・
「・・・・・・はは」
「どうしました?」
「あ、なんでもないです。じゃあそれで」
「はい」
言ってくれるわけないだろ
馬鹿らしい夢ばかり見て
いまだに期待してるのか
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