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珠嘉は庭にある灯篭と木陰の間に隠れていた
スマホで時間を確かめると十五分ほど経っていて、勝負をするからには勝ちたいけどずっとここで中腰で身を潜めてるのは辛い
そろそろ二人は見つかってる頃だろうかと灯篭にもたれていると足音がこっちに向かって聞こえてきた
「しゅかっちー?何してんの?」
「…静彦さん」
不思議そうに顔をのぞかせたのは弓波家の長男の静彦だった
外に出ていたけど今帰ってきてたまたま隠れてる珠嘉を見つけた
珠嘉は話しかけて欲しくなさそうだったけどここは自分の家の敷地内だし静彦は人と話すのが好きなので空気は読めても去ってはくれない
「…弟達と隠れんぼの最中です、いよりがあなたと遊びたがっていたので暇があるなら次から相手をしてやってください」
「いよりんはオレのこと大好きだかんね!でも残念ながらそんな暇ないわー、乙藤家の跡取り様は暇なの?ンなわけないよね」
似たような立場だからわかる、子供の遊び相手をする暇があるなら為になる勉強をしろとうるさく言われてるはず、静彦の経験から物を言ったけど図星だったのか綺麗に整えられた眉が不快そうに歪む
「しゅかっちはキリッとクールなのにいよりんには甘いとこあるよなーそゆとこオレは超好きだけどまわりはそうでもないっしょ、こないだもいよりんが木から落ちたって聞いて茶会退席してただろー?」
「…親があぁなぶん僕があの子を想ってやらなくてどうします…けど…やっぱり親からと兄からの愛情では全くの別物なのでしょうね」
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