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(え…ぇえええぇぇっ!?なんでお兄ちゃん小戸森さんとギュってしてんの!?わぁ、わぁっ!)
動揺しながらもこそこそ二人をのぞいていたいよりだったけど…じっと見ていてある違和感に気づいて眉を寄せる
(お兄ちゃん……昔からあんまり食べないし、野菜が好きで細かったけど……なんか…痩せたっていうか…やつれた?…目の下にクマも……それに……泣いてる?)
兄の泣いてる姿なんて初めて見るいよりはなんだか不安になって胸が苦しくなる
珠嘉は小戸森の胸に顔を埋め、小戸森は珠嘉の背に腕を回していてその顔は珠嘉と同じく辛そうだ
『好きな人と一緒になれないなんて』
『この家からいなくなれば』
『もうどうすればいいのかわからない』
嗚咽まじりの珠嘉の声が…その姿が痛々しくて、いよりは気づかれないように自室へ引き返すとベッドに飛び込み枕に顔を埋めた
(あんな…あんなお兄ちゃん初めて見る…知らない……知らないっ)
いよりの記憶にある珠嘉はいつだって凛々しくて強い人だった
なのに初めて見る弱々しい兄の姿が頭に焼き付いて離れない
(お兄ちゃん、何か嫌なことあったのかな…、僕とちがって忙しくて大変なのに嫌なこと一個もないわけないよね…僕をびっくりさせないようにそういうの見せないようにしてくれてたのかも……今のも、僕に見せたわけじゃないし)
じゃあなんで小戸森には弱ってる姿を見せたのか
なんであの兄が小戸森のような男をこの家に住み込みで働かせているのか……
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