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「お兄ちゃん…もしかして」
(小戸森さんのこと…好きなんだ)
昔…結婚について話をした時、珠嘉に好きな人がいるような様子はなかった
小戸森に惚れたのはその後か、それとも嘘をつかれたのか…和子のはいい関係を築いていたようなのにあれは兄の演技だったのか…
(お兄ちゃん…意外と嘘つくの上手だったんだ…)
「…いより、起きてますか?」
とんとん、と控えめなノックの後で珠嘉が声をかけてきた
うん、と返事がしたいのに声が出なくて、いよりは慌ててベッドからおりるとドアを開けて目の前に立っている珠嘉に抱きついた
「!?…どうしたんですか?顔色が悪いようですが…どこか痛いんですか?あ…また澄久君に虐められたんですか?」
さっきみたのは何だったのか…何の話をしてたのか聞きたかったけど兄が自分に隠していた一面を盗み見していたことを話したら珠嘉を困らせそうで…いよりはブンブンと首を横にする
「お兄ちゃんに会えなくて寂しかった!…お兄ちゃんのせい!」
「…高校生にもなって…まだまだ子供ですねいよりは」
いよりが体重をかけてもたれてくるものだから…疲れていた珠嘉は床に座り込んでポンポンと弟の背を叩く
そうするとグスッといよりが鼻をすすったので珠嘉は呆れながらも優しく目を細める
「僕がそばにいないことくらいで泣いてはいけませんよ」
「ッ、ぅうーやだ!お兄ちゃん大好き!」
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