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「……、……僕も…大好きですよ、いより」
「しってるっ」
そんなの当然だというふうに返事をすれば珠嘉が笑ってくれて、いよりはホッと心が軽くなった
(来週末…一緒に遊んでって言わないと……でもなんか眠くなってきた…進まなかったけど…宿題頑張ったし…あ…宿題見てってことも言わないと…)
意思に反して瞼が重くなっていき微笑む珠嘉の顔がぼやけていく
「おやすみ、いより……、………」
ーーーー……
翌朝眼が覚めるといよりは自分のベッドの上にいたけど珠嘉が添い寝してくれていることはなかった
「…お兄ちゃん…?」
寝起きでおぼつかない足取りで珠嘉の部屋に行ったけどそこにも兄はいない
下に降りてリビングに顔を出せば母がソファに座って休んでいるだけだった
両親はいよりが話しかけると『話している時間が無駄』とでも言いたげに迷惑そうな態度をとる
だからいよりは自分から両親に話しかけるのは苦手だけど今日はどうしても珠嘉のことが気になって声をかけてみる
「おはようお母さん、あの…お兄ちゃん…どこ、ですか?」
「……、…ついさっき小戸森の運転で何処かへお出かけになりました…心配です、珠嘉さんを乗せたまま事故にでも合われたら…」
いよりの問いに答えた、というよりは不安と不満を口に出したいだけのようだった
いよりはぺこっとお辞儀をするとトボトボ部屋へ戻っていく
(お兄ちゃん早く帰ってこないかな…)
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