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「そんなことはわかっています、いよりちゃんなんかでは珠嘉さんの代わりはつとまりません」
能面のような顔でそう言った瑶実はパンフレットを差し出してきた
赤ん坊のイラストが表紙のそれをいよりは受け取ると目で訴えられるままにページをめくった
それは人工子宮手術の案内、赤ん坊を授かれない女性や男性でもこの手術を受ければ誰でも妊娠し出産が可能になる
(…久ちゃんが昔言ってた…そうだ、たしか少し前にこの手術を受けた女の人が赤ちゃんを産んだってニュースになってたっけ)
といってもまだまだこの手術には問題が少なくはなく、手術を受けた身体に今後後遺症はないのか、産まれた赤ん坊は健康的に育つのか等不安な意見が多く、保険適用外で手術が高額なこともありこの世界でこの手術を受けてる人があまりいないことくらいはいよりでも知ってる
「いよりちゃんにはこの手術を受けてもらいます、医師との都合を合わせて手術は来月の予定です」
「……」
なんで自分が手術を受けなければいけないのか理解できなくて…すごくショックで、とても怖くてパンフレットを持つ手は震えた
それでも涙が出るほど落ち込まなかったのは昔に澄久と子供を作る約束をしたから
いつかどっちかが手術を受けなければいけなくて、それが自分に決まっただけだ。
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