アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
その日の夜、詠朔は部屋にやってきた母親にいよりと子作りをするよう話を聞かされていた
詠朔は取り乱すことなく静かにその話を聞いている
「…というわけで、詠朔ちゃんには弓波家より先にいよりちゃんを孕ませてほしいのー」
下品な言い方だと詠朔がため息をつけば、母のルリ華は椅子に座っている詠朔の足にすがりついてきた
「おねがいねっ、男と子供を作って結婚なんてしたくない詠朔ちゃんの気持ちはわかるけどこの家にとってはいい話なの、いよりちゃんはとってもおバカでその遺伝子が子供に出ちゃったらって思ったら怖いけど、乙藤家が持ってるパイプは捨てがたいの、ね、ねっ、結婚した後は愛人何人でも作ってもいいからぁっ」
「いよりをバカにしないで」
詠朔は母親を足で押し返すとため息をつく
たしかに乙藤家と友好的な関係になれば今よりも広い分野で活動ができ弓波家と差をつけられるかもしれない…ただそうする事よりももっと条件のいい相手を見つけて嫁いできてもらった方が利益的にも世間体的にも永富家にとってプラスになるはずだ
母の言葉は嘘ではないけど…百パーセントの本心ではない
「本当は?僕といよりを結婚させて何がしたいの?」
すると息子に足蹴にされてしくしく泣き真似をしていたルリ華はその目を釣り上げてウェーブのかかった長い髪をガシガシと両手でかき乱す
「弓波家に…あの女に……あの女の子供に、負けたくない!」
(…、…艶乃さんか…家のためというか…私怨だな)
艶乃は澄久と静彦の母親で弓波家の現トップであり…ルリ華とは折り合いが悪い。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 196