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ルリ華は永富家に嫁いできて立派な跡取りを産んで育てることに期待されたけれど、子供を授かりにくい体質だと医者に言われたのは子作りをはじめてすぐの事だった
その頃からすでに三家の女の戦いは静かに始まっていて、一番に子供を宿したのは艶乃でその三年後に乙藤家に珠嘉が産まれた
けどルリ華には子供ができない、瑶実は陰では笑っていたかもしれないが表面上では不妊治療に悩むルリ華を励ましてくれた
ただ艶乃は違った、何年経っても子を宿せないルリ華を下に見てバカにした
面と向かって哀れまれたし酷い蔑みの言葉もかけられた
静彦は夜泣きも少なくて手がからない、もう字が書けるようになった、駆けっこではクラスで一番、母の日に花をくれた…嫌味を含んだ自慢話で溺れそうになった
とやかくいう奴は何人もいたけど艶乃に一番傷つけられた
その後、詠朔を宿したタイミングで艶乃と瑶実も二人目を宿したのはなんの因果かとルリ華は笑ってしまった
二人が次の子供を作った理由は一人目の身に何かが起こった時や理想にそえない育ち方をした時のための言うならば代用
でもルリ華は詠朔を産んですぐに子供を作れない体になってしまった
今でこそルリ華も次の命を授かれる手術を受けられるけど、ルリ華はこう考えた『この子は変わりなんて必要としないほどに優秀な子供』『この子に全てを捧げなさいと神様が自分に教えてくれたんだ』と
なんて話を詠朔は昔からうざったいくらい聞かされてきた
「まぁいいよ………これでやっと、いよりとの約束が守れるんだから」
ずっと我慢してきたし、もう諦めるしかないと思ってたんだと詠朔は微笑んだ。
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