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「僕は自分が好きになった人とは結婚できないんだってわかってた、親が決めた人と家の利益のために結婚するんだって」
それは珠嘉も言っていた事で、兄のことを思い出したいよりは顔を俯かせる
「いよりが澄久と特別な関係なことくらい知ってたよ、二人が幸せならそれでよかった…、……けどいより、こうなったなら話は別、僕は君を抱いて静彦さんより先に君と子供を作る、静彦さんも同じ考えだと思う…跡継ぎとして家のために動く、いよりも珠嘉さんの代わりにこの家を守る立場になったならこれからは自分のためだけになんて生きてはいけないよ」
「っ…、…、…ぅ…ぅう」
優しい言葉をくれると思っていた詠朔に現実を突きつけられたいよりは首を横に振って涙を流す
両親に愛されていた珠嘉はいよりより恵まれて育っていたように見えたけど実際自由とは程遠かった
同じ年に生まれて一緒に遊んでいた詠朔も、気楽そうに過ごしている静彦も…そう見えているだけで裏ではいよりがしたことのない苦労と努力を積んでいる
同じ場所に立とうとしてるんだからいよりも今後は自分の為ではなく家のためになる選択をしていかなければいけない
と言われても家のためにつくすことを期待されず、澄久と思い合ってるいよりはまだ素直に頷くことができない
「いよりのことも、いよりの家のことも僕に任せてくれればいい…それに君は僕に「いや!久ちゃんが好きっ!詠ちゃんのばかっ!もっとちゃんと考えてよ!僕…どうしたらいいかわかんないのに、もっと考えてよー!」…いより…」
幼い子供のように喚くいよりを詠朔は呆れることなく優しく言い聞かせてなだめた。
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