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ひとときの駆け落ち
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いより、澄久、詠朔は同じ年に産まれて家同士が知り合いなこともあり自然と三人でつるむことが多かった
けど実は澄久…出会ってから今までずっといよりが好きだったわけじゃなく、むしろ鈍臭くて我儘ないよりは苦手だった
いよりも澄久に鬱陶しがられてることは気づいていて、三人で遊ぶ時も詠朔にばっかり付いて回っていた
詠朔は一人っ子なこともあり自分についてまわるいよりを同い年だけど弟のように可愛がり、我儘には文句ひとつ言わずに叶えていた
『詠ちゃん、疲れたからおんぶして』
『詠ちゃん、アイスが食べたい、桃のやつだよ』
『詠ちゃん、ごっこ遊びがしたい、ぼくがだんなさまだよ』
『詠ちゃん、あそこで光ってるお星様が欲しい』
『詠ちゃん、八つ葉のクローバーみっけて』
よく苛立ちもせず付き合えるなと澄久はみていてうんざりした
けど小学校に入ってしばらくして詠朔は習い事が増えていよりと過ごす時間が減って…だから澄久はいよりと二人で遊ぶ時間が多くなり、タイミングよく(その当時は悪くとも言える)いよりのピンチを救うことが増えていった
両親に愛されてるとは言えないいよりは自分のためによくしてくれる人が大好きで、ピンチを何度も救ってくれる澄久にもすぐ懐いていって…
久ちゃん、久ちゃんと後をついてくるいよりに澄久はいつしか庇護欲がわいてそれが徐々に恋愛感情に変わっていった
いよりが頼るのも、いよりを困らせるのも、いよりの一番は自分じゃなきゃ満足できなくなっていた。
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