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手術の前日、いよりは澄久と会って近所の公園で話をしていた
「手術怖い…久ちゃんとの赤ちゃんが作れるなら良かったのに、違うなら嫌だ」
「俺だって…母さんも兄さんも聞く耳持ってくれないし」
静彦はいよりを心配はしてくれてるけど詠朔と同じく家の決めたことならそれに従うという意思は曲げるつもりはなさそうだ
兄のことは口に出さずとも尊敬はしていて、跡継ぎが兄に決まったことに文句はない
けどいよりのことは詠朔にも静彦にも譲れない
澄久はベンチからおりるといよりに手を差し伸べる
「逃げよう、いよりが居てくれるなら俺は何もいらない」
「…久ちゃん…」
いよりは澄久の真剣な眼差しに見惚れた
その手を取って遠くへ行きたい…けどやっと両親に期待してもらえたのに裏切るのは心苦しい
内容はともかく、いよりは両親に必要としてもらえてとても嬉しかった
どう応えていいかわからず迷ういよりに、澄久はもう一度強く声をかけた
「っ、いより!俺の手を取れっ」
「…、うんっ!」
いよりが澄久の手を取ると、澄久は強くその手を握り返して二人は駅へと走った。
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