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「っ…久ちゃん…その……たくさん、怒られた…?」
いよりは車の中で瑶実に酷く叱られた
心配させたからというよりは迷惑をかけたからという事で
珠嘉ならこんな愚かな行動はしないとも言われた…いよりは病院につくまで何十回も謝ったけど瑶実がいよりと目を合わせてくれることはなかった、手術が終わった後は今まで通り接してくれてるけど許してもらえたとは思っていない
「いや、そんなだよーうちの母さんその日は笑ってネタにしてたけど次の日にはもう飽きてたし、あいつがここに呼ばれてないのは単に資格がないからってだけ、でもさぁいよりん……突然いなくなるのは駄目、ほら、もうこんな事しないってお兄ちゃんと約束、な?」
「……うん」
小指を出され、いよりは大人しく自分の小指を絡ませるとゆらゆらと揺らされる
静彦がいよりと澄久が駆け落ちした事を知ったのは二人が帰ってきた後のことだった
艶乃は澄久を大して叱らなかったけど静彦は乙藤家は少し前に珠嘉がいなくなったことでまだ落ち着いていないこともあり、いよりまで同じように姿を消させて迷惑をかけるなと澄久をきつく叱った
(久ちゃん…会いたいなぁ…)
いよりは携帯をもっていない、病院にいる間は一人が不安で澄久の声が聞きたくてたまらなかった
今回の件のせいで瑶実はいよりから澄久の名前が出ると嫌がるようになったので様子を聞くことさえできなかった
早く澄久にあって元気な顔が見たい
ため息をつけば、ポンっと頭に詠朔の手が乗る
「いよりにばかり辛い思いをさせてごめん、これからは僕がいよりを幸せにするから」
「詠ちゃん…」
いよりは自分に触れる詠朔の手をじっと見つめ…その目が不安げに揺れたので、静彦はいよりから詠朔の手を退けるとついでにその手に頬ずりしたので詠朔はギョッと目を丸くして手を引っ込める。
「いよりん、そんな警戒しなくてもー、退院早々襲ったりなんてしないって!オレも詠朔も紳士だかんね!それにいよりんも澄久達と同じ学校通うんだろ?今は新しい環境に馴染むことが大切!なっ、詠朔」
「…そうだね、一緒の学校に通えて嬉しいよ、わからないことがあったらなんでも聞いて」
二人が微笑めば、いよりは警戒を緩めて少し切なげな笑みを二人に見せた。
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