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その日の夜、瑶実はいよりの退院をいわってご馳走を用意してくれた
好物の焼きおにぎりはもちろん、肉厚のステーキにじっくりとにこんだポトフ、食用の花びらが散らされた食べるのが勿体ないくらいオシャレなサラダ、冷蔵庫には帰りに寄ったケーキ屋さんで買ったケーキがある
珠嘉が家にいるときはついでというようにいよりも祝いの席のご馳走を食べられたけど、いよりのためだけに母がお祝いをしてくれた記憶がなかったので嬉しくて涙が出そうになった
「お父様は帰りが遅くなるそうなので二人で先にいただきましょう」
「わぁい!いただきますっ!」
やっぱりお母さんのつくるご飯が一番美味しいといよりは小さな口にたくさん詰め込んでもぐもぐと一生懸命口を動かす
珠嘉にはよく『落ち着いて食べなさい』と注意されたけど、澄久に『ハムスターみたいでかわいいな』といわれたのでいまだなおせずにいる
「次のお祝いは、いよりちゃんが妊娠したときですね、期待していますよ」
「っ…けほっ……、…はい」
期待していると面と向かって言ってもらえるのは嬉しいけど…気が重い
今は美味しいものを食べて、難しい事を考えるのは全て後回しにしておこうとしたらチャイムがなった
瑶実は席を立って来客者をモニターで確認しに行く
「…、澄久さん、こんばんは」
「久ちゃん!?」
いよりはすぐに玄関へ行こうとしたけど瑶実に睨まれてピタリと動きを止める
『こんな時間にすみません、いよりが帰ってきた事を今聞いて…この間は俺の勝手でご心配とご迷惑をかけて本当に申し訳ありませんでした、けど俺…いよりと話がしたくて…顔を見るだけでも許してもらえませんか?』
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