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和子ちゃん
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「んーこっちかな…こっち…?…あっ、こっちだー」
いよりは今、クラスメイトの一人からもらった地図を頼りに評判のいい和菓子屋に向かっていた
昨日そのクラスメイトが『とっても美味しい苺大福の店みつけた!』と話をしていたのでいよりはすぐに食いついた
いよりは和菓子は好きじゃないけど澄久の好物なのでぜひプレゼントしたいと思ったから…
(この頃久ちゃん元気ないし…これで少しでも元気になってくれるといいなぁ)
ただ、いよりは一人で遠出するのが苦手だし携帯を持っていないので目的地まで音声案内をしてもらうこともできない
高校生なのに携帯をもってないのはみんなに驚かれるけど、いよりが連絡を取りたい澄久と詠朔は隣に住んでるので困るほど必要になった事はない
(やっぱり詠ちゃんについてきてって頼んでみたらよかった…広い道にはないって言ってたけど…目印ほとんどないよ…)
「っていうかこれ…迷子になったらどうしよう」
帰り道がちゃんとわかるか不安だし、もう疲れたと道端でしゃがみこむと背後から背中を叩かれた
顔をあげれば三十代くらいの男が立っていて、誰だろうと不安そうにすれば男は警戒を解くように笑顔を見せてくる
「何か困ってるの?お腹痛い?」
「!…ううん、道がわかんなくて」
ぴら、とメモを見せれば男はそのメモをとって頷いた
「ここならしってるよ、こっちから行くと近道なんだ、一緒に行こう」
「わっ、本当!?やった、良かったっ!」
いよりは男に手を引かれるままについて行こうとしたけど、一台のベンツが通りかかり…二人の真横で止まると後部座席の窓があいた。
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