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好きな人のために
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弓波家の地下にある座敷牢、そこに澄久が入れられていた
(…あれからどのくらい経った…)
今回の件は流石に艶乃も笑って許してはくれなかった
静彦も呆れてるのか様子を見にも来ない
いよりは引き剥がすように詠朔に連れていかれて、その後に瑶実に酷いことをされていないかが気がかりだ
爪でガリガリと畳を引っ掻いていると足音がこちらに向かって近づいて来て…顔を上げると詠朔が立っていた
「詠朔!…いよりは!?…ッ!?」
乱暴に檻を蹴られて、澄久は檻を掴んでいた手がピリピリと痺れて眉を寄せる
詠朔はいよりにだけじゃなくて澄久にだっていつも優しかった
詠朔が怒ったところなんて…ましてや物に当たったところなんて見たことがない
でも詠朔は何度も鉄の檻を蹴り続け、呆然としている澄久を悔しそうに睨みつけてくる
「二度と…二度といよりに触るなっ…澄久のせいでいよりは…」
「…、…なんだよそれ…いよりに何かあったのか?」
澄久は隙間から手を出して詠朔の服を掴んだ
その手を払った後、詠朔はため息をついて頭を抱える
「いよりは…あれから部屋で寝込んでる…体調を崩してるんだ、精神的なショックと…今は落ち着いてるけど…薬の…ピルの副作用で酷い吐き気だってあって…」
その薬を使ったということがどういう事を意味するのか澄久はしっていて…座り込んで項垂れた
あの時の行為で子供ができていたか、できていないかは結局誰にもわからない
でもいよりも澄久もその奇跡を願っていたのに…それは叶わなくなってしまった
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