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天気予報通り、夕方には大雨になっていた
外出中だった瑶実は車中から外を眺めてため息をつく
(ついてないですね)
この大雨も、珠嘉がいなくなったことも、いよりに手術を受けさせたあとの事がうまく運んでいないのも
わかっていた事だけどいよりは何もかもが珠嘉に劣っている
家の役に立とうとはしてくれてるけれど全く頼りにならない、珠嘉がいたときはなんの不安もなかったのにいよりが澄久と色々やらかしてくれるたびに頭がいたい
二人が好き合ってるのはわかったけどそんな感情は邪魔なだけ、いよりにはまだまだ乙藤の家のためにどうあるべきか自覚が足りない
「…、………とまってください」
車を止めた瑶実は傘をさし…建物の下で雨宿りをしてる詠朔に歩み寄った
詠朔は雨に打たれのか少し濡れていて、なぜこんな場所で雨に濡れてるのかと瑶実は不思議がる
詠朔の方も瑶実とこんな雨の中でばったり会ったことに驚いてるようだ
「詠朔さん…なぜこんなところに?」
いよりが貞操帯をつけていることと澄久への牽制としてこの頃は永富家の車で送迎されてるいよりからは十分前に家に着いたと連絡が来ている
「瑶実さんこんにちは、いよりは先に帰ってるので安心してください」
「…しばらくやみそうにありませんよ、送っていくのでこちらへ」
瑶実が傘の中へ招いてくれる…けど詠朔は首を横に振って断る
もう体は濡れていて車内を汚すのは悪いし瑶実に迷惑をかけてしまう
なにより…
「…なんだか今は…雨に濡れたい気分なんです」
そう言った後で詠朔は傘をさす瑶実の手をそっと握る
詠朔の手は少し冷たくて…瑶実はいきなり触れられたことに驚いて手を引っ込めた
けどすぐに高校生の男の子に手を握られたくらいで動揺したのが恥ずかしくて済ました顔で目を合わせれば詠朔の方もまっすぐ瑶実を見つめ返して来た
いよりと同い年なのにずっと背が高くて体格も男らしい、表情は大人びていて雨で髪が湿ってるせいかいつも以上に艶っぽい
ジッと見つめられて、不覚にもドキッとしてしまうほどに
「………瑶実さんも…一緒に濡れていきませんか?」
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