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「…だよ、な……そうだよな、詠朔がいよりに酷いことするわけない…お前いよりには誰よりも甘かったし、優しかった」
カッとなって悪かったと澄久は頭を下げる
詠朔は『いいよ』と微笑んだ後で紅茶飲んで一息つく
「けど…やっぱり可哀想で…兄さんには頼り辛いし瑶実おばさんには嫌われてるし…詠朔にしか頼れないんだ、もう少し楽にしてあげられないかって…俺…もういよりには手出さないって約束するから」
「……」
その言葉もイマイチ信用に値しないけどここまで頼まれてるし、いよりの負担を少しでも軽くしてあげたい気持ちもある
「わかった、瑶実さんと話してみるよ…にしても他に頼み辛いのは当然だけどよく僕を頼って来たね、もう僕の事を友達だなんて思ってないでしょ?」
詠朔が澄久に呆れてる以上に澄久は詠朔を恨んでるはずだ
殴り飛ばされたって仕方ない…大人しく殴られるつもりはないけど
澄久は言葉を詰まらせたけど…ガシガシと両手で髪を乱す
詠朔の言う通り澄久は詠朔も静彦も恨んでるけど…
「二人とも、いよりが好きでしてるわけじゃない」
よく考えれば好きでもない相手を抱くのだって、それだけじゃなくて子供を作ってできたら結婚しなきゃいけない二人だって心情は複雑なはずだ
二人から浮いた話は聞いたことがないし、二人とも親が決めた相手と添い遂げる事を決めていて…けどもしかしたから澄久やまわりには見せないだけで特別な相手がいたのだとしたら、そう考えたら誰の事も責められない。
「……へぇ、成る程ね、そうだね」
詠朔は納得したように頷いて、でもそのあと微かに鼻で笑った。
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