アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
12
-
この真弓という 医師になにもかも話しても良いのだろうか?
そもそもの アイツとのこと。
医師というだけあって
そして
数ヵ月毎日 顔を合わせていただけあって真弓という医師とは 通常の医師と患者 と いう 堅苦しい関係は なくなり くだけた 関係になっている。
されど
彼は エリート医師
俺は 無職のプー太郎。
でも
こんな関係は 誰にも
話せない。
普通じゃない と 自分でも分かっている。
すると
言いよどむ 千春を気遣ったのか
まぁとにかく飲みましょう。と
千春に酒をすすめて そのことに ついては何も 言わなかった。
「千春さんはこの近くに住んでいるんですか?」
話題を変えた真弓に一瞬 戸惑いを感じたが 同時に何か あたたかい気持ちも感じて こたえるのが 少し遅れてしまった千春だった。
「……へっ? あ あぁ そうッスよ。この先の商店街が終わったあたりに デカいスーパーあるっしょ?3階建ての。」
「あぁ すぐ裏に川が有りますよね。」
「そうそう あのスーパーの1階に宝くじ売り場があるでしょ。その宝くじ売り場の横を入った街道沿いの茶色いマンションなんスよ。」
「へぇー。1階が学習塾の建物ですか?
近いですね。僕はあのスーパーの裏にある川沿いの白い小さな3階建てのマンションです。」
「あぁ。1階にクリニックが有りましたよね。え~と 何ていったかな。なんとかクリニック。」
「僕の実家です。」
「えっ?センセーのうち?え~と内科胃腸科。山手クリニックだ!
へー センセーの家なんだ。へぇー。
センセーは でも 病院に勤めてるじゃん。自分の家のクリニックはやらねーの?」
「たまに 手伝いますよ。
でも 今は修業の身みたいなもんで。あの病院はね あらゆる科を経験するでしょ?特にあの病院は救急病院だから。そして あそこは 僕の親友の病院なんです。」
「じゃ 今の院長の親友?
俺 先代の院長に 良くしてもらったんスよ。特別個室使わせてもらって。
イイ人ですよね。引退したとか聞いたんスけど。申し訳なくて。
昨日知ったんスけど 保険の方も色々口きいてくれたみたいで。
俺 今は無職スけど その前の給料補償も 金が 貰えるみたいッスね。
まぁ 本当に俺の体を詳しく調べてくれて。」
「でも千春さん。
こうやって 歩けるようになったから良かったです。骨折が治ってリハビリ始めた頃は まっすぐ歩けなかったですもんね。斜めに倒れていっちゃって。
骨は癒えてますけど 脳への ダメージは 否定出来ないですから。
来週あたりからは 水の入ったコップを持って白線の上をまっすぐ歩く練習です。
来月はMRI を撮りますから。
耳鳴りは 気長に付き合っていくしか ないかな。
ところで 千春さん。
来週の週末は お時間有りますか?
僕は毎週末 この店に 来て 食事と軽く飲むんです。
まぁ同居の 奥さんが いらっしゃると 難しいでしょうけど。」
「へぇー。センセーこの店よく来るんだ。
たぶん 暇かも?
アイツね 最近週末は 毎回出張なんスよ。帰ってくるのは日曜の夜。
あ アパレル関係の仕事やってるんスよ。
俺はそういうのよくわかんねぇんだけど。
昔っから洋服のセンスは抜群だったなぁ。
でもセンセーは実家に住んでんだろ?
飯は作ってもらえないんスか?」
「あー 実家っていっても 3階で独立してるみたいな感じ?2階に両親が暮らしていて 僕んトコは キッチンも風呂トイレも 有って。」
「じゃあ いつ嫁さん貰っても 良いようになってるんだ。ふーん。」
「ま 近所のよしみで 寂しい独身男のご飯に付き合ってくれたら 嬉しいです。」
ははは
と 笑い合って
なんだか 楽しく時間を過ごした
千春と真弓だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 173