アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
16
-
病院を 退院してから
アイツは毎週末 深夜に帰宅するか 泊まりか ってなって 俺は 自然と センセーと 居酒屋で 過ごすようになっていった。
自分でもわからねぇけど。
家で自炊しても良いんだけど。
居酒屋でセンセーと飲むことが なんだか楽しくて仕方なくて。
その居酒屋の座敷だったり 違う定食屋に行ったり センセーに誘われて 和食の店や 寿司屋に行ったり。
いつのまにか
毎週のように センセーと会っていた。
そして 雨がひどく降った或夜
センセーから メールが来て
僕の家に来ませんか?って。
断る理由もない。
だいたい すげー近所なのに わざわざ店に行くってぇのも
なんだか なんだか
そして
ついに センセーの一人住まいの部屋に 行くことになった。
「こんばんは。」
「いらっしゃい。お待ちしてましたよ。どうぞ。」
今まで何回も外で食事して、とりとめのない話をして 外食も良いけど たまには 僕の料理を食べてもらいたいな なぁんてセンセーが言っていた。
外で 飲むと 帰り千春さんが心配だって言っていたけど。
本当になるなんて。
センセーの家に行くってのは ちょっとだけ緊張してしまった。
男の一人住まいにしては シンプルで家具も作り付けで余計な物は一切無かった。そして綺麗に片付いていた。
居酒屋の個室で
俺が 注文した 料理を
それ美味しそう ってさ
ひとくち 下さい
なんて 言いながら
俺の顔を見ながら
食いかけの魚を食べるセンセー。
俺の飲みかけの
酎ハイを
味見
って言いながら
同じグラスを
飲んじまうセンセー。
そんなことを不意に思い出して
顔が熱くなる。
ここでも
そんな風に 親しげに接してくれるんかな?
ダイニングの椅子に座るよう促されて
料理をする背中を見つめていると
食器棚から
グラスを出してワインを注がれた。
今 料理を温めているから
それを飲んでいてください と
にこやかに 言われた。
そして
ビーフシチューをご馳走してくれた。
トロトロにほどける大きな肉の塊。無造作に切られて皿におかれたバケット。
そして 綺麗な色の口あたりの良いワイン。
「真弓センセー美味いよ!料理上手なんだね~。イケメンだし 料理も出来るし 欠点無いッスね。ズルいな。」
「ありがとう!凄く嬉しい。嬉しいですよ。千春さんにほめられて こんな嬉しいことはないですよ。千春さんに美味しいものを食べさせてあげたくて 頑張った甲斐がありました。」
「センセーよ 本当に 男前だな。
こんなシチュエーション。
女なら みんなイチコロっしょ。
憎いぜ。」
「誉め言葉として 受け取って良いのかな?千春さん。
アルコールで 少しは気持ち軽くなりました?
あなたの話を又聞きたいな。」
「えぇ?俺の話?
この前 どこまで話をしたっけ?」
「中学校で 初めて女の子に チョコレートをバレンタインに貰った話。何故告白をされても断ったんですか?」
そうだった。
俺 あんまり女にモテたことねぇ って話をしたんだっけ。
そう 聞かれるまま 子供の時の話をしたんだ。
そもそも そういう話になったのは 両親が離婚して 父子家庭で 親父が死んで。
それを避ける話を 何かしなくちゃ って。
バレンタインで 女から チョコレートを貰って その女は 見ず知らずだったから ってつまらねぇ 話をしてたんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 173