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冷凍庫から適当に 冷食を漁って 朝メシを済ませ 洗濯物を乾燥機に入れてぼんやりと TVを眺めていた。
又台風かよ。
今年は 台風の当たり年なんじゃねぇか?
…………………………
一方 その頃 千春の同居人は
恋人とベットで まどろんでいた。
可愛い恋人は 昨夜から喘ぎっぱなし イキっぱなしで 気を失うようにして寝落ちして 小さな寝息をたてている。
布団をめくると お互い全裸で 首筋にも胸元にも アタシがつけた赤いキスマークが付いているが
キスマークの数はアタシの方のが多いか
ひとり小さく呟き 恋人の頬にキスをそっとする。
この恋人は嫉妬の言葉を投げつつアタシに噛みついたりしながらつけたのだ。
でももうそんな思いはさせないようにする。
一緒に住もうと思う。
千春との同居を解消して 可愛いお前と住むよ。
自身の男のからだに嫌悪をつのらせ 何年か かかったが 心身共に法的にも 女になったアタシと 心から愛している 女であるお前。
男であるなら 何も問題なく 結婚さえできたであろうに。
そのアタシの気持ちを汲み取って その上でアタシを愛してくれた。
MTF であるアタシ。
自身の男のからだに嫌悪をして心身共に女になったアタシ。やっと女のからだを手に入れた。でも性愛対象は女。
いわゆる女になったアタシはレズ。正真正銘の名実共にレズビアンだ。
そんな元男のアタシは 千春に友情は感じているが恋愛対象ではない。
そしてそんなアタシのことを理解してくれる女はほとんど皆無に等しい。
そしてアタシが女に惚れても 一般の女の恋愛対象は男。
MTF のアタシを理解して好きになってくれた恋人は 高校時代からの彼女。
ずっとお前を愛している。
苦しんで下した決断を理解出来ないと いっとき 別れたときもあった。
ホルモン治療して医者に通って 千春と同居を始めたときも 一旦別れた。
でも お前も乗り越えて アタシを理解してくれて 再び 付き合って。
千春が入院して 毎日のように会って語らって 寝食を共にして お前は決心してくれた。アタシと一生一緒にって。
頼りない千春には 伴侶ともいうべき人間が出来て アタシはお前のところに行くよ。お前の家に引っ越すよ。
一緒に住もう。
愛してる。
アタシは
愛しい女に キスを落とし
同じ構造の胸と胸を 腹と腹 脚と脚 下腹部と下腹部と 密着させて 又眠りについたのだった。
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