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時々 煮え具合を見ながら 筍や椎茸を入れて うどんと天ぷらの代わりの天かす、卵長ネギを入れて火を止める。
レンゲとお椀 唐辛子、鍋敷きも置いた。
ふっとひといきつくと すぐ後ろに センセーが立っていた。
「ひぇっ!
センセー居たのかよ。びっくりしたー。」
「ごめんなさい。風呂までもらって。すごく温まりましたよ。さっぱりしました。おととい 泊まりだったので。丸2日 働きづめでした。」
「お疲れ様っした。
よく考えたらセンセーんち 近いから わざわざうちで風呂 無理矢理入れさせちまって 悪かったッスね。でも あんなにびしょびしょになったら 一刻も早く 濡れたもん脱いだ方が良いし。冷えたからだ 温めた方が良いし。
センセー。飯は?
って 鍋焼きうどん作ったんスよ。
食べて下さい。」
何か 言葉を挟ませたくなくて 一気にしゃべった。
「昨夜おにぎりひとつだけ。あとはずっと仕事で」
「そーかよ。有り合わせの材料だけど。うどんは好きかい?食べなよ。」
「うわぁー 熱々で美味しそうだ。良いダシのにおい。」
「ごちそう って訳じゃねぇけど。座って座って。食べてくれよ。」
真弓センセーはよほど腹が減っていたのか それはそれは
美味そうに きれいに平らげて 手を合わせてごちそうさまと 箸を置いた。
外は 台風が近付いてきたらしく
猛烈な風が吹き荒れ 雨も 叩きつけるように時折 勢いを増していた。
俺は食器を洗いながら
外を、眺めて
真弓センセーを帰すことより昼飯は何をご馳走してやろうか ぼんやり考えていた。
そのとき 真弓センセーが口を開いた。
「千春さん。僕はあなたに話したいことがあります。」
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