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真弓side
やっと やっと 抱くことが 叶う。
あの集中治療室で ひとめ見たときから 心奪われたんだ。
看護師の女性たちから そういう目で見られているのに 気がつかないところも 魅力のひとつだった。
ナースステーションでいつも噂の種になっていて 気が気ではなかった。
しまいには掃除の女性達まで たらしこんで人気者になっていた。
ナースステーションでは奥さんの悪口が盛んに言われていて。
彼の入浴介助も 確か くじ引きで決めていた。
退院後の私的付き合いの誘いも 賭けの対象になるほどだった。
そんな看護師を嗜め 軽く叱責したり 遠ざけることも 中々大変だった。
リハビリの計画も 僕が中心になって少し長引かせたり 回診は要観察で一日2回にしたり 個室の特性を生かして かなり長く病室で彼との対話を増やした。
本人の話から凄く近いところに住んでいると分かったときは小躍りしたいくらいだった。
普段の生活を探り 同居人の動向を探り 外泊を許可しなかった。外食に飢えさせた。今時の居酒屋のメニューをさりげなく 教えて 居酒屋へ興味を向けるようにした。
彼が退院してから 僕は近場の居酒屋のハシゴをした。
やっと偶然会えて そこからは 週末の約束をして ついに 自宅に招くまで。
長くかかったように思える。
やっとこぎつけた僕の家への招待。
僕の家で食後ベランダに出ようとするから 何故?と聞いたらタバコを吸うから と不思議そうに小首を傾げた。
テーブルに灰皿を出すと 椅子に座って吸って良いンスか?
と言ったとき 不憫で 抱き締めたくて仕方なかった。壁紙が茶色くなるまで 吸って良いよ と言いたかった。
居酒屋で 焼き鳥を頬張り 嬉しそうに外食久し振りって 言ってる君が 不憫で 抱き締めたかった。
僕の家で 網戸にして空気入れ替えしたら 虫入って来ない?
と真剣に心配する様子に 胸が締め付けられてしまった。
虫が入ったら 捕まえれば良いんだよ。
ビールの箱を見てケースごと買って部屋に置くンスか?
って。
ケースごと 買っても食べ物が密封されているから 仮に居ても やがて居なくなるよ。出たら燻蒸すれば良いんだよ。
料理が得意だというのに ビーフシチューを美味しい美味しいと無邪気に食べる君が可愛くて可愛くて どうしてやろうか って不穏なことを画策したよ。
それなのに君は無防備に 僕にすり寄って 首に顔を寄せて。
もう もう 我慢出来なくて 抱き締めた。
入院して数ヵ月。
退院して又2ヶ月。
君の同居人のことも 分かって 協力を申し出てくれて 君の性格を改めて知って。
益々募る想い。
まっさらな 君を 導いてあげる。
子供のように無垢な素直な君を 僕が 新たに 教えて染めていきたい。
恐縮することなく伸び伸びと
自由に
君の素地を そのまま受け入れて
その上に 新しく楽しいことを 一緒に経験して 僕を 頼って欲しい。
そして対等に 歩んで いこう。
ずっと 待っていた。
ずっと 好きだった。
その君を これから
抱くよ。
快楽を教えてあげる。
常識も状況も わからなくなる程
溺れて 欲しい。
千春
好きだよ。
もう 離さないからね
覚悟してくれよ。
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