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52(アイツ)
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家族で婆ちゃんだけが俺の味方だった。
一度しかない人生なんだから 生きたいようにしなさい。と言ってくれた。
あんたが自分の身体が嫌いでも 中味はあんたなんだから。
男でも女でも生まれてきた意味があるんだから。
あたしの可愛い孫であることは変わらないよ。
時々 家族には内緒で婆ちゃんと会っていた。タッパーにお新香やら煮物やら 詰めたものを必ず持っていけと渡された。
人間は食べるもん食べりゃ元気が出るよ。食べなきゃ駄目だ。千春ちゃんだって食べて食べて元気が出たろ?
あんたは健康で父さん母さん爺ちゃん、そして兄弟が居る。
みんな健康で。
だから賛成だの反対だの言えるんだ。
具合悪くちゃ 反対も出来ない。
あんたも健康だから 家族が反対だ って意見するんだ。
犯罪犯した訳じゃない。病気なんかじゃない。人様に迷惑かけた訳じゃない。
胸張んなさい。
大丈夫。血を分けた家族はあんたを見捨てたりしない。
きっと 分かってくれる。
その代わりあんたも 説得する努力と力を身につけなさい。
お金でもない 出世でもない
大きな自信をつけた人間になりなさい。
負けたら そんときは そんときだ。
負けても 甘えさせてやるよ。
それが家族だから。
あんたには 帰ってくる場所が有るからね。
婆ちゃんが 時々甘えさせてやるから。
お前は いつでも お前だ。
俺は器の大きな婆ちゃんに 励まされ 諭され 力を得て 邁進していった。
そして すっかり外見も女となり 家族に対峙した。
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