アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
62(アイツ)
-
どこか上の空だったかもしれない。
羽田から新横浜までの高速バスでは 座席を間違えた。
新横浜はホテル着なので そのままエントランスからタクシーに乗った。
病院で降りて 走り出した。
つい ドスの効いた大声を出して 看護師から顰蹙をかった。
だが幸い医師に会うことが出来て 容態を詳しく聞いた。
看護師は 親族に限ると言っていたが 医師がたまたま側に居て 同居していることを言ったら 看護師を遮り アタシを誰も居ない診察室に入れてくれて 話をしてくれた。
営業で培ったアタシの説明に納得してくれたようだった。
頭の方は 検査をした限り特に問題はないようだった。だが 隠れた損傷や脳の液漏れは直ぐには判明しないらしい。
内臓は問題ないので意識が回復したら 様子を見て食事を開始するらしい。
事故の詳細も教えて貰った。
加害者 というかその方も被害者になるのだが ここの病院の院長だとのこと。
集中治療室を出たら特別個室を 使ってくれとも言われた。
一気に力が抜けた。
取り敢えず実家に帰ろうかと病院を出たら
アタシの前に 一人の人間が 表れた。
懐かしくて 苦い 想いが あふれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 173