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77(或校長)
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メニューを見てカレーライスとビールを注文すると 驚くほど早くテーブルに料理が届けられた。
ビールを飲みながら ホテルでの数日を思い返す。
ホテルとの渉外は事務課から来た若手が担当して 生徒の世話は担任や学年担当の教師が行う。
生徒も自主性を重んじるように指導しているようで 今のところ問題は一切ない。
あのホテルからも特に何も指摘されることもない。
何度か生徒と一緒にオリエンテーションや散策 植物園見学にも同行したが さすがに 二度 三度と行く程のこともない。
だからせいぜいホテル内の数件の寄木細工の土産店を冷やかしながら吟味。お陰で食べもしない漬け物と寄木細工のキーホルダーは何点か購入済みだ。
となると ホテル内をうろうろして 従業員 つまりここで働く人の観察をしてみるくらいで。
私自身は 教師や生徒の宿泊する棟と同じだが フロアーが違う。
学校でも 気を使ったのかホテルが気を使ったのか分からないが メゾネットの部屋になっている。
つまりリビング、風呂トイレの一階と室内の階段を登るとベッドルームとなっている。
連泊だから清掃の人間も来る。
連泊だから個人的にクリーニングも頼んでいる。
連泊だから食事も時間をずらしてホテル内のレストランで別のものを食べている。
もちろん生徒達の食事中は付き添って見守っている。
朝生徒を見送り 留守居しながらホテル内であちこち見て回ることも 数日過ぎると中々興味深い。
ホテルというところは実に沢山の人間が働いている。
何日かするとフロントなどの客と接する表面に出てくるスタッフ以外の顔馴染みも出てくる。話をしてみると面白いものだった。
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