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78(或校長)
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そろそろ帰ろうか どこか駅方面に行って飲むところを探そうか と考えていると ガラスの向こうを歩く見知った顔。
こちらに気がつかないのかな?
店のこちら側で手を振ると やっと気がついたようで 俯いた顔をあげて 笑いかけてくれた。
笑って頭を下げてくれた。
そこで待ってて と 口パクすると ハテナマークそのままの顔で 首を傾げている。椅子からバッグを持ち そちらに行く と身ぶり手振りで アピールすると 理解出来たのが嬉しかったのか 満面の笑顔で 頷いて 手指でOKとこたえてくれた。
可愛い人だなぁ。
若くはない。けど なんて無邪気な表情をする人なんだろう?
子供のように 素直な 反応。
わが校の生徒だってあんな無邪気さはない。幼子のように 澄んだ目。
やわらかで あたたかで やさしい 笑顔。
性善説は彼の為にある言葉ではないだろうか。素直な まっすぐな感情が溢れてくる。自然に口角が上がり こちらまで つられてしまうような ひきこまれるような微笑み。
あんな性格の良さが滲み出るような笑顔は経験したことは無いんじゃないだろうか?
あんな好感度を与える笑顔は見たことがない。
世の中は嘘くさい 薄っぺらな笑顔ばかり。
赤ん坊が機嫌の良いときに 母親に見せる笑顔のような無垢な笑顔。
彼は普段いつも 俯いて仕事をしていたように思う。
あんな笑顔は 見たことはない。だから笑った顔が 初めてみるからなのか?
半端ない!
私自身ごくごくノーマルな性的指向だと思っていたが 彼のあの笑顔は そういうもの全て超越してしまうほどの 破壊力だと思う。
かといって彼と具体的にどうこうするつもりもない。
ない。
ないけど 彼なら 後悔しないような気がする。
何だろう?
要は 人を惹き付ける人間なんだろう。
何か湧き出るような 魅力を兼ね備えた人間なんだろう。
慌てて会計を済ませ 入口横で待っててくれたかれの前に立った。
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