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92(千春覚悟する)
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夜遅いせいか フロント周辺は明るいが客も従業員も居ないみたいだった。
公衆電話ブースには簡素な木の椅子が二つ並んでいる。
そのひとつに腰を掛けて 100円玉を入れた。
呼び出し音が数回鳴って ピー音の後メッセージを。
大きく息を吸って
『あ あの 俺です。山科です。
千春です。
えーこの前から何回か電話したのは俺です。
何も言わずにどっかに行っちゃって すんません。
俺 今箱根に居るんです。臨時従業員?まぁバイトっす。
あの 俺 真弓さんに迷惑をかけたくなくて。負担になりたくなくて。男として しっかりしなきゃってね。
なんつーか その自分を いや もう少しね あの』
その時後ろから歩いて近づいてきたらしき誰かが 公衆電話の受話器を置くレバーをガチャンと下に
なんだよ~
電話途中で切れちまったんじゃね~かよ!
誰だ!
このやろー
「メッセージは本人に伝えてくれるかな。
千春くん。」
それは
ぬぁんと ぬぁんと
真弓さんだった。
千春は公衆電話の受話器を握り締めながら見下ろしている真弓をただ ただ 見つめるしかなかった。
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