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「……って事が一年前にあったんだよな〜」
「すっげぇ…廉の母ちゃんヒーローじゃん…」
「いやそんな…」
俺は山口 廉
普通の高校二年生
普通すぎて困るくらい……普通の成績、普通の身長体重。
ただ一つ他の奴らと違うのは少し茶色がかった色素薄めの髪質。この髪が毎回、頭髪検査で引っ掛かるからめんどくさい。
そして俺の目の前でお母さんの話をすると目を輝かせているのは1年の頃からの友達、佐藤 奏。
コイツは普通ではない。イケメンだ。しかもサッカー部。
奏でるって書いて、そうってなんだ。奏って、イケメンかよ。顔が名前負けしてないのって凄い。
でもさすがに奏が笑うだけで周囲がザワつくのはおかしいと思う。
ここ男子校だろ?男しかいねーのに密かにイケメンのプチファンクラブ的なの出来てんのおかしいだろ。
ファンクラブ持ってる男が学年に何人かいるとかおかしいだろ。
ちょっとこの学校おかしすぎる。
「…てか俺トイレ!奏ついてきて!」
「男同士で連れションかよ〜。まぁ俺も行こうと思ってたし、行こ」
嫌な顔をしながらも一応ついてきてくれる奏は対応が神だ。
教室のドアを開けるとなにやら廊下が騒がしい
『おい、来るぞ、』
『ちょ、見えねぇって、』
『静かにしろよ!』
俺の後ろに続いて出てきた奏が顔を顰める。
「うぅわ、人多っ!」
と、奏がかなり大きめの声で言うと
何人かの男子生徒が振り返って、顔を真っ赤にして叫び出す。
「わ、!!!!奏!!!!」
「ほんとだ!!!本物だ……!!!」
「おい!!!!お前ら!!!奏がうるさいって!!静かにしろよ!!!」
最後の注意で廊下が静まり返る。
これ全部ファンクラブかな…??やべぇな。
「あ、ごめんなんかそういうつもりじゃ、」
と、奏は取り巻きに愛想笑いを振りまきながら歩き出す。
俺の手首を掴んで。
ほらほらほら、こういうとこずるいよな。周りに見えない様に早歩きで歩くとことか。
女が喜びそうな事を男の俺にサラッとやるからファンクラブなんか出来るんだ。
惚れるなんて事は無いけど。
まぁ奏はイケメンだからちょっとだけドキッとする。事は認める。
「奏のせいで時間取ったじゃん〜早く済ませて戻らないと授業が始まる〜」
「ごめん〜俺じゃなくてあいつらに言ってよ〜」
と2人でふわふわ笑いながらトイレに入ろうと角を曲がると、丁度同じタイミングで曲がってきた人とぶつかりそうになった。
「っわ!すみません、」
「っ、こちらこそ不注意で」
チラリと相手の顔を見上げるとそれはそれは高いところにお顔がありました。でか!
てか白っ!!肌しろ!!
思わずガン見しているとパチリと目が合い、お互いに数秒止まる。
「…ぁ…あ、すみませんでした。」
「……っ…」
ぺこりと頭を下げると、その人は早足でトイレを出ていった。
「廉、大丈夫?」
「あ、うん全然大丈夫。てか今の人めっちゃ綺麗だった。」
白い肌に真っ黒な髪と瞳。
ずっと黒髪に憧れていた俺の脳裏に一瞬で焼き付いた。
「え廉…あの人知らねぇの?」
奏は『信じられない』とでも言いたげな表情で固まっている、、
「え、なに、?」
「あの人、白田 華夜だよ。」
「…しらた…かや…?」
白田…華夜…なんか名前まで綺麗。
後々聞くとこの学校イチ人気のある男子らしい。
顔はよく覚えてないけど奏曰く『切れ長の目に程よい筋肉がついている黒髪美人』らしい。なんだよ男に美人って。
まぁわからんでも無いけど。
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