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ちょっとモヤモヤな日々
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reto side
キヨくんが俺の家に来たのは、結局それから5時間後だった。
つまり、午後3時。
おやつの時間である。
まぁ、予想通りといえば予想通り。
だってキヨくんだし、絶対遅れてくると思ってた。
「レトさぁん、遅れてごめーん」
「…絶対ごめんって思ってないだろwまぁ別にいーけどね」
「レトさんってやっぱ怒んないよね」
キヨくんは不思議そうに言ってくる。
「いやふつー遅刻してもあんま怒んなくない?」
「まー怒りはしないけどさぁ、なんかグチグチゆってくんじゃん」
「えー言うかなー」
「ゆうゆう!ガッチさんとか」
「ガッチさんwwグチグチいうんだww」
ゆってきたゆってきたーと楽しそうに言ってくるキヨくんを見ると、なんか、なんかよくわからんけど、幸せな気持ちと、泣きそうな気持ちが一気に溢れてきた。
……いやいやいやいやいや、あかん、あかんよ俺!!!
なにその少女漫画みたいなやつ!!!!
「どうしたレトさん?なんか顔やばいよ」
リビングのソファにどかっと王様みたいに座るキヨくんが可笑しそうに言ってきた。
ここひとんちなのにその座り方はなんなん?というツッコミは置いといて、「別になんもないよ」と笑って誤魔化す。
俺は昔から感情を隠すのだけは得意だ。
だから、キヨくんに対する気持ちだって、俺から告げなければ一生キヨくんは俺の気持ちなんて知ることもないだろう。
……なんか悲しくなってきたから、考えるのやめよ。
「で?今日はなんの実況撮るん?」
「あーそーそー!!いや実は良い感じの見つけちゃってさぁ」
キヨくんはそう言って自分の鞄の中から物を取り出した。
「これやんね?」
「あ、それ俺もやりたいって思ってたヤツ」
「まじんこー!?俺も前からおもしろそーって思っててさぁ」
パッと顔を明るくさせて話すキヨくんを眺めていると、やっぱ好きだな、ずっとこうして、キヨくんとゲームとかの話をしたり、他愛のない話をしていたい、と切実に思う。
でも、
俺は恋愛対象としてキヨくんを見てるから、やっぱり、ハグ…とか?き、キスとか…してみたい。
あの笑顔でキヨくんに好きって言われたい。
…もうどんだけ我儘だし乙女思考なんだよ自分。
しかし、もやもやした想いも、キヨくんと実況を撮って笑っている内にいつしかなくなっていった。
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