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考え悩む日々
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kiyo side
俺はレトさんが風呂に入ってる間、納豆巻きを食べながらうっしーとlineをしていた。
内容は最近俺らがハマってるゲームについて。
アップデートがきたらしいので、その事について話していた。
返信を打つ時、ぼんやりと頭に過ぎったのはレトさん。
なんでこんなにレトさんのこと考えなきゃいけないのかわかんないけど、あのさっきの態度とか、変な顔してきた理由は普通に気になる。
もしかしたら、もしかしたらうっしーは知ってるかもしれない。
レトさんはうっしーに結構心開いてる気がするから。
……いやなんで今心ギュッとした!?痛くなった!?
あーーーもー最近自分のこともよくわかんねーわ。
俺は半分やけくそになりながら、うっしーにレトさんのことを聞いた。
[最近レトさんの様子変だけどなんか知ってる?]
[うわ、いきなり話変わったな]
[ごみん]
[いやー別に知らないし、そもそも変なの?]
[うん]
[俺は何も知らねーわ]
そっか、何も知らないのか。
まぁ、知ってて隠してる場合もあるけど、なんとなくうっしーが嘘ついてる感じはない。
俺は[り]とだけ打つ。
後一応ありがとうと記された可愛いよくわかんない動物のスタンプを送っといた。
[あ、もしかしたら彼女でも出来たんじゃね?]
次にうっしーから送られてきた文面を見て、思わず目を見開いた。
かのじょ、カノジョ、彼女。
馬鹿みたいに頭の中でその単語を反芻する。
[なに、ショック?w]
俺が既読をつけても返事をしないからか、うっしーはそんなことを言ってきた。
[いやなんで俺がショックしなきゃなんないんだよww]
……ほんと、まじでなんで俺がこんなショック受けなきゃならないの!?
そう、何故か知らんけど、俺は今、すごくすごくショックを受けていた。
でもなんで?仮にレトさんがほんとに彼女つくってたとしても、ショックとかゆー感情よりも、羨ましいうぜーっていう感情がくるだろ。
いやなんでショック??
それじゃあまるで、
俺がレトさんのこと好きな奴みたいじゃん。
うわ、フツーにきもいきもいきもい。
なんで俺がホモなの、普通に無理だわww
そう頭では考えてるけど、なぜだか心臓はやけにうるさくて。
なんだか気持ちがいっぱいいっぱいになったから、うっしーからなんかline来てたけど、既読スルーしてトーク画面を閉じた。
ごめんなうっしー。
でも俺をこんな気持ちにさせたのは牛沢、お前だから許せ。
それから俺はtumutumuというゲームアプリをして遊んでたけど、集中できなくてスコアは最低記録をたたき出してしまった。
風呂から上がってきたレトさんからなんか声かけられたけど、適当に返した。
なんか今は、レトさんと喋りたくなかったから。
くだらない八つ当たりってことは分かってるし、いつもなら笑って流せるんだけど、なんだか今は笑える気分じゃなかった。
てかどうした自分、ほんとに俺がレトさんのこと好きみたいだけど(笑)
「キヨくん、俺なんかした…?」
俺はハッとしてレトさんを見る。
震え声になってるレトさんは、俺から目を背けて違う所を見てるから、表情がわからない。
わからないけど、涙がでてるのはみえた。
俺の頭は途端に真っ白になる。
あれだ、小学生の時好きな子をいじめすぎて泣かせちゃった後の感覚に似てる。
「え、レトさん泣かないで!!!」
俺は動画を撮ってる時ぐらいの大きさの声を出したから、レトさんは肩をビクッとさせた。
「え…?俺泣いてなんかない…あれ」
涙に出てることに気づいたレトさんは、目を見開いた。
いやてか、なんで泣いてること気づかないわけ!?
やばいだろ、レトさん大丈夫!?普通に心配だわ!!!
てか泣かせたの完璧俺だよね??
俺、なんかしたっけ!?
荒ぶる思考を落ち着かせて、記憶を遡る。
あ、そうだ。俺なんかさっき、適当な返事しちゃったし、さっきムカついた時、顔にめっちゃ出てたかも。
「えまってなんで!?俺そんな怒ってないし…ちょっとムカついてただけだって!!」
俺はレトさんの方へ駆け寄る。
とりあえず、今自分が思ってることを言葉にした。
いつものレトさんなら、俺がこんな態度とったとしても軽い感じに返して、最終的には2人で笑ってた。
いつものレトさんなら。
「あ、大丈夫大丈夫。なんで俺泣いてるんだろww」
弱々しく笑うレトさんは、どこか空回りしてて。
やっぱりレトさん、なんかあった。
彼女とか、そうゆう幸せな出来事でないなにかがあったんだと思う。
レトさんをこんな顔にさせるなにかが。
これはもう確定。
なんで俺はこんなにレトさんのことを知りたがる?
その答えは後回し。
とりあえず俺が今したいことは、
レトさんをそんな悲しい顔じゃなくて、いつものあの、目を細めた笑顔をみたいから、レトさんの助けになりたい。
あのちょっと控えめだけど、優しい笑顔をみたい!!!!
だから俺は、いつものあのおちゃらけた調子を無くして、レトさんが言ってくれるのを願いながら、
「レトさんさ、なんかあった?」
と、俯いているレトさんに聞くと、驚きと動揺を隠しきれていないつぶらな目と目が合った。
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