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決断の日々。
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reto side
……やばい、俺の気持ちバレた?
いや、そんなわけないか。
バレてたら引くに決まってる。
こんな心配そうな顔なんてしてくれない。
キヨくんは俺の言葉を黙って待ってくれている。
ねぇ、キヨくん、あなたはなんでそんなに優しいの?
ねぇ、キヨくん、なんで俺に期待を抱かせることをするの?
キヨくん、キヨくん、キヨくん。
キヨくんのことで、俺の頭はいっぱいになる。
奇抜な髪色も、ひょろっとした背丈も、大きな目も、ちょっと大きい鼻の穴も、実況を撮る時の馬鹿みたいにうるさいとこも、オフの時のぼーっとしたキヨくんのことも、好きなことを夢中になってするキヨくんも、なんでも正直に口にしちゃうとこも、こうやって、時々思いやりをみせるキヨくんも、全部、好き。
苦しい。愛しい。辛い。
感情がぐちゃぐちゃになって、涙がでそうになる。
だから俺は唇を強く噛み締めた。
目の前の愛しい人は、俺を好きになることは無い。
そう、これは最初から叶わない恋なんだ。
だから俺は決めた。
もうキヨくんと必要以上に会わないことと、一生この想いを隠し通すことを。
これ以上キヨくんと一緒にいたら、気持ちが溢れてしまいそうになるし、期待してしまいそうだから。
叶わない恋に期待するなんて、ただ虚しいだけでしょ?
俺はこれ以上期待を抱きたくないんだ。
俺は、キヨくんの目をしっかり見て口を開く。
「ほんまになんもないよ。ちょっと情緒不安定になっただけだと思う」
「多分最近夜遅くまで起きてる日が多かったから…だからそうなっちゃっただけ」
「だから大丈夫だよ」
「心配してくれて、ありがと」
一言一言、キヨくんの目を見て言う。
キヨくんは、なんでだよレトさんと、納得してない顔をする。
でも、最後まで口を挟まずに俺の言葉を聞いてくれた。
キヨくん、俺、好きだ。
キヨくんのこと、好きすぎるみたい。
思わず溢れ出しそうになる感情を抑えようと、俺はキヨくんの後に回って背中を押した。
「レトさうぉっ!?ちょ、いきなり押すなよ!!」
「風呂にレッツゴー!!」
「わ、わ、ちょっとまってたんまたんまたんま!!」
押されるがままのキヨくんが急ブレーキをかけた。
俺は勢いがつき、キヨくんの背中に衝突する。
あ、キヨくんの匂い。
すごい好きな匂い。
そんなことを思っていると、いきなり肩をガシッと掴まれた。
「あのねレトさん、もしほんとにまじのまじのまじのまじこんに苦しかったら、俺に頼って!!!!!あ、別にうっしーとかでもいいけど…出来れば俺がいい!!てか、俺に言って!!!」
一気に捲し立てたキヨくんは、いい終わった後少し息切れしている。
……なんだよキヨくん。
キヨくんはどんだけ俺を困らせたら気が済むの。
どんだけ幸せにさせたら気が済むの。
「…ずるいなぁ」
「え?なんてゆった!?」
「キヨくんは頼りになるなーって!」
「いや絶対言ってねーべ!!」
頬を膨らませているキヨくんは、なんだか幼い子どもみたいで、吹き出してしまった。
「なに、なに笑ってんのさ」
ちょっと睨んできたキヨくん。
ああもう君は、どこまで俺を、
「さっきの頼りにしてって言ってくれたの、嬉しかった。キヨくんのそゆとこ、好きだよ」
神様、これくらいの告白は許してくれますよね?
キヨくんはポカーンとした顔で俺を見てくる。
その後手で口を抑えた。
「え、レトさんがそんなことゆーの初めてなんだけど!!」
「キヨくんもあんなこと言うなんて初めてだけどね(笑)」
「…う、なんか恥ず!!今考えるとすげー恥ずかしいわ!!!」
キヨくんは両手でほっぺたを抑えたから、なんだかタコを連想させて、吹き出してしまった。
「何笑ってるんだよー」
「まぁとりあえず風呂入ってきて!」
俺はキヨくんが風呂に入るのを確認してから、ソファに腰を下ろした。
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