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俺は毎日午後5時に、彼の好物のプリンを買って彼に会いに行く。
「あ、来てくれたんだね」
「大事な友達が事故に遭ったってんだから、お見舞いに来るのは当たり前だろ」
「ありがとう。そうだ!この薔薇、誰からかわかる?今日朝起きたら飾ってあって…」
彼の病室にはブリザードフラワーにした紅色の薔薇が4本。俺からのささやかなメッセージだ。
彼は花が好きで、これを持ってきた時も目を輝かせて喜んでくれた。
俺はもう言い慣れてしまった台詞を彼に言う。
「ああ、それ俺だよ。お前昨日一日中眠ってたんだぞ?だからその間に飾っておいたんだ。嫌だったか?」
「ううん、綺麗だから病室が華やかになるよ。ありがとう」
「どういたしまして。プリン買って来たぞ。食うか?」
「食べる!」
そうして俺たちは“いつも通り”プリンを食べて、駄弁って、俺は面会時間終了ギリギリの午後6時半に帰るのだ。
「また明日ね」って、明日が来ない彼に見送られながら。
(紅色の薔薇→死ぬほど恋い焦がれています。4本の薔薇→死ぬまで愛の気持ちは変わらない。)
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