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2.朝
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―――ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ………
いつものように甲高い音で目覚まし時計が鳴り響く。
「っるせぇなぁ」
何故朝からこんなうるさい音で目を覚まさないといけないのか、出来ればあいつの声で起きたい
などと半覚醒状態で考える
しかしこの音がなるということはそろそろ起きなければならない時間だ、
朝起きるのは嫌いだがあいつの顔が見れる
そう思うと朝もなかなか悪くない
眠い頭を無理やり起こし
低血圧でふらつきそうになる体を黙らせ立ち上がり
自室の扉を開けリビングに向かうと、
そこにはキッチンで料理をする愛しい弟の姿が見えた
「奏多、おはよう」と
声をかけるとこちらに振り向き
「伊織にぃおはよう!今日は早いね」
「あぁ、今日は新学期だからね少し早めに目覚ましをかけたんだ」
「そっか、朝ご飯もう少しで出来るよ」
「その前にシャワー浴びてくるよ」
「分かった!」
奏多の顔を見て声を聞くだけで
こんなにも目が覚めるものなのかと考え
風呂場に向かった
少し熱めのお湯でシャワーを浴び
頭を洗い体を軽く流して浴室を出た
体を拭きドライヤーで頭を乾かしてから
リビングに向かうと
テーブルには美味しそうな朝食が並んでいた
「美味しそうだね」
「そうかな?いつもと同じだけど」
向かい合いテーブルにつくと
手を合わせて
「「いただきます」」
卵焼きを口に運び軽く力をこめると
少し甘めの俺の好きな味がした。
「やっぱり奏多のご飯は美味しいね」
「へへ笑そう言ってもらえると作りがいがあるよ!」
「俺は奏多のご飯が1番好きだからね」
「ありがと!でも早く食わないと遅くなるぞ伊織にぃ今日の朝礼の準備あるだろ?」
「そうだねゆっくり食べたいのは山々だけど少し急ごうか」
少し急いで朝食を終わらせ
食べ終わった食器をシンクに運んでから
自室に戻り身支度を済ませた
「奏多ー支度終わった?」
「うん、終わったよ」
「深山さんにメールは?」
「それもOK!」
深山さんとは俺たちの家に週3日来てくれてる家政婦さんだ。家事くらい俺たちで出来ると言ったが
仕事で海外を飛び回ってる親父たちが学校を疎かにするなと言って雇ったのだ
来てくれる日にやっておいて欲しい事をメールすることになっている
「それじゃあ行こうか」
「うん!」
俺たちは基本的に一緒に登下校している
伊織は生徒会と剣道部に所属してるため遅くなる時は奏多1人で帰ることもある
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