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水族館に着くと、話題になっているだけあって混雑していた。
チケット売り場にも多く人が並んでいる。
「わぁ、すごい人だね。チケットあるから私たちはもう入場できるよ」
俺たちはチケット売り場の横を通り、入場ゲートの方へ向かった。
中に入るとすぐの場所にシャチの水槽があった。
椎河さんは目を輝かせながらその水槽へ近づいて行った。
「あ、待ってよ妃捺」
その後を桐崎さんが追いかける。
「なぁ瑛翔」
「何?」
「言わなかったこと怒ってない?」
「怒ってないよ」
俺の隣に立った祥馬が心配そうに声をかけてきた。
さっきはそんな悪びれた様子じゃなかったのに。
実は気にしてたの?
「良かった。…っていうか正直水族館って何が楽しいのかサッパリ分からねー」
人が集まってる水槽を見ながら祥馬は呟いた。
「そう?俺は好きだけど、水族館」
「うへぇ、まじか」
「それ桐崎さんに言ってないよね?」
「言える訳ないだろ」
「2人とも〜何してるのー?こっちおいでよー」
桐崎さんが振り返って俺たちを呼んだ。
祥馬と一緒に水槽に近づいて行ったら、結構大きなシャチがいた。
「シャチってね、天敵がいないんだって。サメとかクジラを食べるんだって。こんなにかわいいのに怖いね」
先ほどまでとは違って、少しはしゃいでいる椎河さん。
楽しそうに説明のパネルを読んで、俺に話しかけて来た。
「へぇ、サメまで食べるんだ…」
「あ、ごめんね、一人ではしゃいじゃって…」
恥ずかしそうに俯いた椎河さんに思わず笑ってしまった。
「あ、笑った?」
「ごめんね、なんか可愛くて」
「っ!!」
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