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いちごオレのパックにストローをさしたところで、話しかけられた。
「あの、神代先輩」
今日はよく後ろから話しかけられるな、なんて思いながら振り向くとそこには知らない女子が立っていた。
俺を先輩と言っているし、上履きが赤いから一年生というのは間違いない。
「あの最近、久城先輩と帰ってないって聞いて…その、今日、私と一緒に帰りませんか?」
伏せ目がちに女の子は言った。
雰囲気が少し、椎河さんに似てるなと思った。
「君部活は?」
「あ、入ってます、あ…私の方が遅かったら、先に帰ってしまっても大丈夫なので…っ」
「…いや、待ってるよ。部活終わったら、校門の所でいい?」
「は、はいっ。ありがとうございます」
それだけ言うとパタパタと階段を上って行った。
「あー何部か聞けば良かった…」
いちごオレを飲み干してから教室に戻ると同時に鐘が鳴り、俺は席に着いた。
その後、祥馬から何か言われることはなかった。
昼休みも、佑嗣がいたからかもしれないけど、何も言われず、他愛もない話をしただけだった。
そしてあっという間に放課後になり、部活が始まった。
試合の時ほどではないけれど、部活を見ているギャラリーがいる。
その中に、今朝の後輩はいなかった。
本当に部活があったんだな。
部活が終わり、部室を出て校門まで来ると、今朝の後輩が既に待っていた。
「あ、お疲れ様ですっ」
「うん、お疲れ」
俺が言葉を返すとその子は照れたように笑った。
「瑛翔、その子と帰るのか?」
「祥馬…」
「妃捺ちゃんのことは振るんだな」
それだけ言い残して、その場から去って行った。
何あれ。
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