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「んっ…たか、っ…」
唇が離れていって、思わずそれを目で追いかける。
「そんな物欲しそうな顔して」
「物欲しっ…!?そんな顔してないっ」
「してないの?」
「してないよ!」
「欲しくないの?」
「…っもう、鷹来くんってほんとずるい」
トンと肩に額を押し付けた。
「ふっ、ごめん。なぁ、顔見せて」
「……」
「かーじーろっ」
俺が顔を上げないでいると、ちゅっと耳にキスされた。
「っ…」
そして、耳の縁を舌がなぞっていく。
「ひっ…ちょ、やだそれっ無理」
パッと顔を離して見上げたら、目が合った。
「やっとこっち向いた」
優しく笑う顔に、俺も自然と笑顔になる。
そして顔に影が落ちて、もう一度唇が合わさる。
受け身なばかりで、俺が応えたことはない。
そんなことを考えてると、ゆっくり唇が離れて、ペロッと俺の唇を舐めた。
あ…
「同じ…」
無意識に呟いていた。
鷹来くんは顔を離して、俺の顔を見下ろした。
「何が?」
「今のキスがしょ……………」
そこまで言って、ハッと我に帰る。
こんなこと、鷹来くんは聞きたくないかもしれない。
俺だって忘れたいって言ってるのに、キスの仕方ひとつで思い出すなんて…
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