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「理論崩壊してるぜ、委員長。」
保健室内に、小刻みな笑い声が響き渡る。
締め切られた窓からは、強まった雨が笑いを抑える御船に同調して、小刻みなリズムが伝えてくる。
「反吐が出る、関わりたくないと
言っておきながら、
抱いてくれ、だって?
七瀬、お前、熱でもあるんじゃないか?」
不意に御船が身を乗り出して手を伸ばしてくる。
七瀬は冷静にそれをかわす。
「お前は、一度抱いた相手には、
興味を失くし、
二度目をせがむことは無いんだろう?
まして、男相手に、
長くかかずらわっている程、お前は相手に
不自由してないはずだ。」
行き場のなくなった手を仕方なく引っ込め、
御船はベッドの上で、胡座をかいた。
「つまり、一度抱けば、身体を売っておけば、
おれはお前に飽きて、もう関わることも無いと。絡むことも無いって言いたいわけか。」
「事実、そうだろ?」
「どうかな?」
七瀬の眉間に更にシワがよる。
御船は胡座の上に肩肘をつき、七瀬を見上げた。
「おれが…、というより、
お前の方が、一度で踏ん切れるのか?
見たところ、随分
思いつめていらっしゃるようだけど」
ニヤニヤした笑いが七瀬を突き刺す。
苛立ちがこみ上げ、思わず御船に掴みかかりそうになる。
「…区切りにしたいんだよ。
このまま、視線の応酬合戦は、耐えられない。」
…分かってる。こんな事はおかしい。
全部、言い訳だ。
ーーー早く、この場から立ち去って、
着替えて、いつもの、七瀬智紀に戻らねば。
早く正気に戻らねば。
こんな所に来る事自体間違ってる。
心の奥底での、警鐘が鳴り止まない。
それでも、七瀬は動かなかった。
…まるで、金縛りにあっているように、
御船から強い視線を外さなかった。
「………。」
そんな七瀬を見て、御船は、一瞬笑みを消す。
しかし、すぐに柔らかい笑みを浮かべて、
七瀬に向かって腕を広げた。
「…いいだろう、七瀬。
お望み通り、可愛がってやるよ。」
誘うような、陥れるような、表情で、
御船は踏み出した七瀬の身体をすくい取った。
ベッドが軋む。
ーーーこの時から、七瀬の学園生活は狂いだしてしまった。
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