アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第3章
-
ーーーいつの間に……っ!
咄嗟にポケットやカバンの中を探る。
どこにも無い。
七瀬はゆったりした様子の御船を睨み、唸るように言った。
「いつ盗った…。」
「さっき、図書館で。
お前が只倉と遊んでるときに。」
ーーー遊んでねえよ。
七瀬はツカツカ歩み寄り、御船の手からスマホを奪い取ろうと掴みかかった。
しかし、七瀬より、少し背が高い御船はそれを
するりとかわす。
「返せ。」
「まあ落ち着け、返してやるから。
別にお前の個人情報、アレコレ盗み見てたワケじゃねえよ。ただ俺のアドレスを入力しといてやっただけ。」
「…何だって?」
ーーーというか、頼んでない。
「大輝に会ったんだって?」
御船の目が七瀬の目を射抜く。
七瀬はわずかに強張り、息を呑んだ。
「…それがなんだ。」
「連れねえな…。俺を差し置いて、
他の男の連絡先をキープするなんて。」
…どうしてこの男は、いちいち、
こういう言い方をするのだろう。
「お前の知ったことか…、さっさと携帯を返せ。」
いたたまれず、七瀬は地団駄を踏みたくなる。
早く帰りたい。見下ろしてくるこの目から解放されたい。
唇を噛み締め、惨めな気持ちで、
街灯の照明を背負う御船を見上げる。
御船は、フッと笑い、スマホを持っていた手をわずかに降ろした。
「ほらよ…。」
そして、
七瀬が手を伸ばした瞬間、もう片方の手で七瀬を掴み取り、引き寄せ、唇を奪った。
「んんっ!」
咄嗟の攻撃に、
七瀬はわずかに踵を浮かせ、持っていたカバンを思わず落とした。
その隙に、御船の手は七瀬の背中に回り、七瀬の身体を固く閉じ込めてから、容赦なく舌を入れ込んで来た
ーーーどうして…、
どうしてコイツは…。
熱くなりだした身体に焦り、七瀬は身をよじる。
「…ゃっ、…ふっ、…ゃめ、ろ…御船!
ここ、どこだと…!」
「誰も見てねえ。」
再び口を塞がれる。
顔を上に向けられ、苦しくなった七瀬は思わず
御船に縋り付くように腕を掴んでしまった。
御船は目を細めて、そのまま七瀬の身体を、道路脇の壁に押し付け、閉じ込めた。
舌が熱い。
御船の歯が七瀬の舌を甘く噛んできた。
「んっ、ぁ、…っふ」
ーーー御船、どうしてだ?
「ど…して……っ」
こんな、執着してるような態度を取るんだよ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 164