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第4章
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嗚咽を止められない。
七瀬は、布団に顔を埋めて、背中を丸めた。
御船はそれを覆うように屈み込み、小さな背中を抱きしめた。
「…もう良い、七瀬。
わかった。
もう何も、言うな。」
御船の体温が背中から伝わり、呼吸が楽になる。
「…お前が、言わせたんだろう…。」
「そうだ、俺が言わせた。
だから、責めるんなら俺を責めとけ」
ーーー何だそれ…。
思わずフッと笑いが漏れる。
「ワケ、分かんねえ。」
「分かんなくて良いんだよ、今は。」
「訳わかんねえ。」
震えが止まり、七瀬は抱きしめる御船の腕を、
そっと握った。
今なら、言える気がする。
七瀬はすぐそばにあった御船の顔を覗き込み、
その真っ直ぐな目を見て、
少しだけ眉を下げ、笑った。
「……御船。
来てくれて、
…ありがとうな。」
ーーー助けてくれて、ありがとう…。
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