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第5章
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ああ、なんだか面倒臭い事になっている。
ーーー誰も、あんな苦し紛れの出まかせを信用するとは思えないが…。
自分のせいとわかりつつ、目の前から見下ろしてくる御船をそれでも、負けじと睨み返した。
「…で?もしそうだっら何だって言うんだよ。
おれが、誰に心を向けていようと、お前に関係ないだろ?」
御船が片眉を上げる。
「関係ない、ねえ?」
御船の目の鋭さが更にました。
今まで見た事もないようなそれに、
七瀬は思わずジリっと後退り、今度は七瀬が壁に追い込まれた。
「七瀬委員長は随分薄情なお人だな。
俺が愛の告白をした次の日に、委員長さまは想い人とよろしくやっていたのか。」
御船もジリジリとにじり寄り、両手で壁をつき
七瀬に覆い被さって、壁と腕の檻を作った。
「御船…。」
いつも見ない険しい眼差しに気圧されながら、
七瀬は檻の中で身を捩った。
「誰だ?」
「…っ。」
「誰といた。」
不意に御船の手が伸びて来て、七瀬の首をなぞる。七瀬は思わず仰け反り逃げ出そうとするが、
御船がそれを許さない。
御船の手が首からシャツへと下り、
第一ボタンを外す。
七瀬と御船の顔の距離が更に近くなる。
御船が耳元で囁いた。
「七瀬…、答えろ。」
「…っ!うるさい…!
お前に関係ないって言ってるだろ!?
告白だってあんなの、おれをからかってるだけなんだろ!?もう放っておけよ!!」
七瀬は顔を背け、
開いた隙間から、身を捩り、逃げ出そうとした。
しかし、ガッチリ御船に腕を掴まれる。
そしてそのまま、グンッと引っ張られ、
そのまま、
声を上げる間もないままに唇に噛み付かれた。
「ん、んんっ!!」
強引に舌が入り込む。
文字通り、食らいつく勢いで、
七瀬を貪り始めた。
ドンドンと、御船の胸を叩くが、
それすら気に障ったのか、両手を片手で壁に縫い付けられてしまった。
「ん、んっ!」
顎が仰け反り、顔が上を向く。
御船は構わず口内を探り、蹂躙している。
七瀬の身体がガクガク震え、膝が笑い、
力が抜けてゆく。
息が出来ない。
「っは、んんッ!!」
御船の舌が七瀬の舌を掴む。
途端、七瀬の身体に痺れが走り、残りの力を全て奪い取った。
壁際にズルズルと崩折れてゆく。
手が解放されて自由になるが、
もはや身体のどこも自由に動かず、だらしなく横に垂れた。
それでも御船はキスをやめない。
七瀬の舌に噛みつき吸い上げる。
こんなのは初めてだ。
七瀬は、ピクピク痙攣を繰り返しながら、
ついに完全に力が抜け、態勢を崩して
その場に倒れそうになった。
御船の腕がそれを支える。
トドメだと言わんばかりに強く舌を吸い上げ、
七瀬がガクガク身悶えるのを確認してから、
ようやく御船は唇を離した。
「ん、はっ…!ハァハァっ…、ウッ。」
足にまだ力が入らない。
完全に腰が抜けてしまっている。
七瀬は御船に全体重を預けながら、
肩で必死に息をした。
薄く開けた目で御船を見ると、
まだ鋭く険しいままの表情で、七瀬を見下ろしている。
どうしたと言うんだ。
いつもと様子が違う。
「み、ふね…。」
言いかけた所で、ガバッと身体を持ち上げられた。
そのまま担がれ、御船はあらぬ方へ歩き出す。
「あ…っ、おい、御船!どこに行くんだ!」
「うるせえ。」
低い声で返される。
七瀬はその声音に口を閉ざし、
ろくな抵抗も出来ぬまま、御船の肩にしがみつく事しか出来ず、そのまま顔を伏せた。
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