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第6章 side 御船
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自分でもやり過ぎだと、気付いていた。
理不尽は初めからとしても、
華奢な身体が何度も何度も、限界だ、と悲鳴をあげているのに、責め立てる手を一向に止められなかった。
馬鹿げた理由だ。
キスマークをつけられた事で放った、
長倉の言う通り、可愛らしい嘘を、少しからかってやろうと後をつけて、
何者かと、
生徒会室に入って行くところを見つけた。
何て事はない。
ただの用事だったのだろう。
しかし、あの発言の後で、
男と二人、部屋に入って行くという所が気に食わなかった。
何て事はない。
すこし後でちょっかいをかけて、
可愛がってやればそれでいい。
ーーーそう思っていたが、
出てきた時の七瀬の、
悩ましげな顔を見た瞬間、
一気に胸の内の劣情が破裂した。
ーーー俺だけだろう?
お前にそんな顔をさせて良いのは。
お前にため息を吐かせていいのは。
お前を支配して良いのは。
ーーー俺だけだ。
そして、そのまま強引に七瀬の力を奪い、
適当に部屋に連れ込み、身体を開いた。
本当にキツかったのだろう。
今までに無いくらい、身体を震わせて、
何度も絶頂の波をかき消すように首を振る。
それでも七瀬を縛る手を決して離さなかった。
先程の表情をかき消したいという思いもあったし、同時に、もっともっと、
泣かせたい、とも思った。
絶頂の波は来るのに、決してその熱を出す事は出来ない。溜まり溜まった疼きも刺激も、
完全に放たれる事なく、身体に蓄積されて行く。
そのあまりの快感に、何度も戸惑い喘ぎ、
未知の快感に怯える。
その様はなんともいじらしく、
妖艶だった。
御船の嗜虐心をまだまだと、煽るほど、
魅惑的だった。
愛おしい。
とめどなく溢れる蜜も、
困惑し逃げ出そうと見せる無意味な抵抗も、
触れる所から赤くなる身体も、
無意識に見せる強請るような表情も。
涙を流し、苦しげに喘ぎながら、
許しを請い、抱いてくれ、と縋った七瀬を見た途端、御船の中に黒い欲望が募った。
ーーーああ、いじらしい。
もっと、もっと、
狂わせたい。
いじめて堕として閉じ込めたい。
お前は俺のものだ。
だから、ついつい、
ここまで追い込んでしまった。
ようやく、欲を吐き出し、
声にもならない声をあげて、
御船の腕の中で悶える七瀬を見て、
御船は苦笑した。
ーーー本当に、やりすぎてしまったな…。
とろとろと白い蜜が止まる事なく溢れて来る。
赤く染まった唇は空気を求め、はくはく絶え間なく動いている。
切なげな、甘い声が、御船の芯を刺激する。
見開いていた七瀬の瞳が、段々焦点を取り戻し、
御船に視線を合わせた。
その目は涙に濡れ、虚ろではあったが、
どこか満たされたような色を帯びていた。
いや、ただ自分がそう思いたいだけなのかもしれない。
だが、ワイシャツを握りしめていた七瀬の手が御船に向かって伸び、自分を求めるような素振りを見せた時、
少し驚いたが、御船の胸には確かに、あたたかな満足感が
溢れた。
笑みがこぼれる。
その手を優しく取り、
空気を送り込むように、七瀬の口を塞いだ。
「…ぅん」
漏れた声がまた御船の情欲を誘った。
まったくキリがない。
腕の中にある身体から力が抜けて行く。
そして瞳を閉じ、七瀬は完全に意識を手放した。
御船は火照った身体を抱きしめて、
もう聞こえてはいないだろう耳元に囁いた。
「好きだよ…、智紀。」
七瀬の身体が僅かに痙攣した。
認める。
確かにやりすぎた。
しかし、
この時は思いもしなかったのだ。
七瀬以外、目にも入らず、
七瀬の声の他に、何の音も耳には入らなかったのだから。
だから、気付きもしなかったのだ。
ドアの鍵が、誰かによって開けられ、
再び閉められたことは。
ーーーこの日のこの行為が、
後に取り返しのつかない事態を、
引き起こすことになろうとは。
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