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第9章 side 八代
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ーーー憎らしかった。
初めて見た時から、何もかも。
顔も、身体も、性格も、
何もかも。
地の底まで堕として、いたぶって、殺してやりたい。
その為にわざわざ、計画を練り、
人を回して色々手回しをさせ、思惑通り、
七瀬をあの部屋へ閉じ込める事に成功した。
実に愉快だった。
七瀬が、男達に嬲られ、
泣き喚き、苦しんでいる声を聞くたびに、
八代の心は満たされた。
時には自分で、玩具を使っていじめ、
何度も何度も追い詰める言葉を囁く。
ーーーお前は淫乱だ。淫乱で、猫かぶりの肉便器だ。
そう囁く度、七瀬の瞳は確実に闇に向かい、
死への道へと足を踏み出していた。
ーーーあと少しだったのだ。
あと少しで、完全にコイツを壊すことが出来る。
人格も理性も完全に無くす事が出来る。
ーーーそれなのに…。
あの女が現れた。
余計な邪魔立てをしてくれたお陰で、消えかけていた自我が蘇ってしまった。
ーーーああ、なんて忌々しい。
膝の上に拘束した七瀬を見下ろし、懸命に睨んでくる瞳を見据える。
その瞳は、今、ほんの少しであるが、光を宿している。
五日かけて消したはずの光が。
「あ〜あ。まったく、君は本当にイライラさせるなぁ。」
少しの間、天井を仰ぎ、ポケットの中に隠し持っていたリモコンをピッと押した。
そのまま強度を一番強いところに調整する。
七瀬が高い悲鳴をあげた。
「ひぃ、ああああっ!」
身体がしなり、必死に逃げようと、ジタバタ暴れる。
しかし、八代は両腕で七瀬の身体を絡めとり、
しっかり密着して拘束する。
七瀬の暴れる身体に伴い、椅子がギシギシ音を立てる。
「ねぇ、七瀬くん。一つ、良いことを教えてあげようか。」
「あ、あぁ、アッ、あああ、」
「ぼくはね…、
ーーー御船くんに抱かれた事があるんだ。」
七瀬の呼吸が一瞬、止まった。
相当なショックを受けたのだろう。目を見開いて、顔色がみるみる青くなっていく。
八代はニヤリと笑い、くすくすと嗤う。
「もう、何ヶ月か前の話だよ。
知ってるでしょ?彼が遊び人って言われていた時期に。」
「あ、ああ、ッア、」
「初恋だったんだ…。」
ギュッと七瀬の身体を抱きしめながら、
耳元に囁く。
「初めて彼を見た時から、身体が疼いたよ。
たまらずに、ぼくの方から誘ったんだ。
彼は一も二もなく、ぼくを抱いたよ。」
「ぁ、あっ、あっ、あ!」
「気持ちよかったなあ、君も分かるでしょ?
彼の抱き方。まるで、溶かすようにぼくをほぐして…、」
指先でカチカチリモコンを弄び、強弱をランダムにしていく。七瀬が腕の中で更に喘ぐ。
「…喰らい尽くすようにぼくを抱いたんだ。」
「ひ、ぃ、あ、アああ!」
ゆるゆると首を振り、もうやめて、と泣きながら、顔を俯けた。唇を噛み、必死に嗚咽を抑える。
ーーーやめるものか、お前を楽になど、してやるものか…。
「でも、彼は二度とぼくを抱かなかった。
ぼくが、いくら誘っても、まるでとりつくシマもなかったんだ…。」
「ふ、…ぅ、ぅあっ」
「今までにこんな事は無かった…、
男でも女でも、受けでも攻めでも、
ぼくがセックスしたいと言ったら、誰でも喜んで身体を重ねた。
…なのに、御船くんは、そうじゃなかった。」
リモコンを再び最強に調整して、
机の上に置く。七瀬が身体をしならせ、また絶頂に達した。
少し、姿勢が乱れたので、
七瀬のぐったりした身体を持ち上げて座り直す。そんな動きにも反応してしまうのか、七瀬の啼き声がまた一層酷くなる。
「だけど、仕方ないよね?
最初からそういう約束で行為に及んだんだから。
ぼくも辛かったけど、我慢することにしたんだよ。
ーーー君が現れるまでは。」
七瀬の喉がひゅっと鳴る。
八代はそのまま、痛いと感じるまで、七瀬の身体を抱きしめた。
骨がギシギシと音を立て、七瀬が悲鳴をあげる。
「御船くんが、皆に対して平等に、
一度きりしか抱かなかったんなら、
ぼくだってこんな事はしなかったさ。
…でも違った。どういうわけか、君だけは別だった。」
「きゃ、ああっ、あ、あっあっ」
「…許せると思うかい?」
そのまま片手を七瀬の首へと持って行く。
そして、力をこめて、細い首を絞めた。
喘ぎ声が途切れ、今度は必死で空気を求める。
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