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再会 1
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俺は目をごしごしとこすり、そして二度見した。
間違いであって欲しい。
でも、それは紛れもない現実だったのだ。
「はい、注目!」
俺をこのフロアまで案内してきた部長は、あるシマの前で立ち止まりそこに座って仕事をしている人たちの視線を集める。
「今日付で入社の韮山君だ。じゃ、韮山君から何か一言。」
そう部長から振られてはっと我に返る。
その時、俺は既に動揺していた。
顔を上げた社員の中に見覚えのある顔があったからだ。
「え、あ、そっ、そのっ。今日からお世話になります。韮山です。よろしくお願いします!」
背中に嫌な汗が流れる。
『よろしくお願いします!』と共に勢いよくおじぎをすると共に床に落とした視線を少しだけあげる。
と、無表情で俺の挨拶に拍手を送るあの人の姿が見えた。
バクバクと鳴る心臓。
「こっちへ来なさい。」
部長の後についていくと、なんとあの人の目の前に立たされた。
「韮山君、こちらがこの課の課長だ。」
「山城です、よろしく。」
しってますぅぅ。
とは言えず、俺もよろしくお願いします、と頭を下げる。
叶うことならこのまま頭を下げ続けていたい。
「君の席はそこだよ。」
課長が指差した席は、なんと課長の目の前の席。
俺、これからここで仕事すんのかよ。
転職早々、胃が痛くなってきた。
山城課長は、俺の事、気づいてる?よね?
もう、忘れてくれてたらいいけどな。
そんな虫のいい話はないよね。
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